出版社内容情報
「俳句」という僅か17音で作られた世界の奥にはどんな物語が潜んでいるのか。社会派からホラー、SFに至るまで、あらゆるジャンルに足跡を残してきた宮部文学の新たなる挑戦。繊細で彩り豊かに輝く12編の物語。
内容説明
17音の奥に潜む誰も知らない物語。社会派、時代、ホラー、SF…ジャンルを超えて様々なストーリーを紡いできた宮部文学の新しい挑戦!繊細で彩り豊かに輝く12編の宝石。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年生まれ。東京都出身。東京都立墨田川高校卒業。法律事務所等に勤務の後、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。92年『龍は眠る』で第45回日本推理作家協会賞長編部門、同年『本所深川ふしぎ草紙』で第13回吉川英治文学新人賞。93年『火車』で第6回山本周五郎賞。97年『蒲生邸事件』で第18回日本SF大賞。99年『理由』で第120回直木賞。2001年『模倣犯』で第55回毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。07年『名もなき毒』で第41回吉川英治文学賞受賞。08年英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award受賞。22年第70回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
380
宮部 みゆきは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか?12の俳句から紡ぎだした短編集、読み応えがありました。オススメは、『窓際のゴーヤカーテン実は二つ』&『山降りる旅駅ごとに花ひらき』&『薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ』です。 https://www.kadokawa-zaidan.or.jp/product/302212003862.html2023/05/15
R
225
いくつかの俳句から着想を得ての短編集、試みが面白くて、俳句のための短編によって、まるで印象が異なる物語を楽しめた。全体的にちょっと暗いというか、辛い内容が多いけども、そういう情景を切り取った句の力が凄いと感心した、しかもリバースエンジニアリング的な逆想像というところがより凄い。オムニバスで、様々なシチュエーションが楽しめることもあって、これは続けてもらいたいシリーズだと思えた。新しい上句下句でもあるんだろうか。2023/08/19
のぶ
199
久しぶりに宮部さんの現代物の本を読んだ。それも句会の仲間が作った俳句をヒントに短編小説を十二編作っちゃうという斬新な一冊。個々の俳句自体の優劣は不明だが、平凡な句であるとしても、17音の奥に潜む物語が彩り豊かに紡ぎだすのは、作者の技量が素晴らしいからだと思う。ただ内容的には楽しい話は極めて少ないような気がした。ろくでもない男と関わったことで味わった悲劇、という作品が多かった気がした。それと一篇ずつの長さが短いために大きな展開がなかったのが残念だったが、小説の性格上しょうがないところでしょうか。2023/05/20
ひさか
179
2023年4月角川書店刊。後味の悪い話が多くてあまり楽しめなかった。タイトルか俳句になっていて、確かに話の内容のどこかに関係するのだが、ただそれだけで、面白くなかった。2023/05/29
Tanaka9999
170
2023年発行、KADOKAWAの単行本。12編。俳句から短編小説を書く短編集。いずれもこの作者の現代物短編らしいもの。その分お題となった俳句からなぜこのような話になるのか不思議なものもあるか。もっとも「俳句の鑑賞・解釈をした」ものではない、とあとがきにもはっきりあるから構わないのだろう。とはいえ、もっと日常のゆったりした情景の話が多い方がよかったなぁ、とは思う。2023/07/04
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