内容説明
タクシードライバーの磐田速人は、ある日「入日村」という村に迷い込む。そこは、河童や天狗などの妖たちが闊歩する不思議な村だった。村で出会った少女・彩葉は、ここは現世とあの世との狭間に漂っている場所だという。また、黄泉の国へと続く坂を上り切れずに、さまよう魂が増えているというのだ。現世に戻れなくなった速人は、彩葉と共に魂の「未練」を解く仕事を始める羽目に…。
著者等紹介
仁木英之[ニキヒデユキ]
1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨―五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ@いつも心に太陽を!
86
この世とあの世のはざまでは人間と妖や神様が共に暮らしている村があり、迷える魂を救ってあの世へ送っているそうな。うーん。キャラもスキだし面白かったけど、ラストが好みではない。これはあくまで表紙からもう少し明るい最後を期待していた自分の勝手な思いであり、私はにぎやかなハッピーエンドが好きだという好みの話なのだけれど。彩葉がどういう経緯を経て入日村に存在するのか、速人の性格、ごまかしてきた村人たちの本心など考えればあのラストはそうならざるをえないのかなって思えるけど、もやもやした気持ちが残った。2011/10/22
みかん🍊
78
シリーズ3巻を先に読んでしまったため1巻へ戻る、会社が倒産しタクシー運転手をしていた速人はの世とこの世の境目に迷い込む、そこで未練を残し成仏できない魂を救いあの世へ送る仕事をする事に、「銀河に乗って」が良かった、幸せに暮らしていても心の奥に戦争で特攻にいたが自分だけ助かってしまった事にずっと申し訳なさを感じていた老人、ほんとに当時の日本軍はなんて愚かなんだろう。結末はあれだけど先を知ってしまっているので後味は悪くない。日本の原風景、死なない人間と妖と神様が暮らす村、果たして幸せなのか。2017/09/07
ひめありす@灯れ松明の火
56
あなたの心残りは一体なんですか……?死んだって、死にかけだって、人はそんなに心やさしく荘厳なものにはきっとなれない。だからこれは人の物語の、最後の通過儀礼。これを乗り越えて、人がまた次のステップを進んでいく。みんなその人にしか理解しえない心残りを持っているから、そういうものに直に触れなくてはならないハヤくんはきっとすごく大変だったんじゃないかと思う。タクシーにはきっと、いろいろな事情も乗っているんだ。それでも冬に雪の降る音を聞きたくて、その音色の様な微かな希望を胸に彩落ちる葉と共に、今日も晩秋の坂を走る。2011/11/02
Penguin
47
出て来る妖怪が魅力的!〔ねこのこ〕〔銀河にのって〕で、ウルッと…。最後はちょっと切なく、寂しくなった。素敵なお話なんだけど、関西弁がちょっと読みにくいし、馴染みがないので読解に苦労した(-.-;)2011/10/05
ピち子
41
◆借物◆ 【○】 僕僕先生シリーズ(文庫)は積読本になってしまってる為、本書が仁木作品の初読。 表紙(挿画)から妖怪寄りの話しなのかと思ったら死者寄りの話だった…表紙(雰囲気)から明るめの話しかと思ったら結構湿っぽい(悪い意味ではなく)話だった…自分の浅はかな予想はことごとく裏切られ、とても面白く読めた。 ただ、こういった人情物語の最後は「みんな幸せハッピーエンド♪」で締まるのが好きなんで、この作品に関しては何だか胸にモヤモヤした気持ちが残ってしまった…って、完全に個人の趣向に偏った意見ですが(^_^;)2011/07/14




