内容説明
八ヶ岳の南東に広がる高原を縦断する単線鉄道のマイアミ駅―もともとは舞網と書いていたこの駅のあたり、バブルの頃に街ぐるみで観光地としての開発を進めたが、いまでは面影もなくゴーストタウンの如くといった様。橘秀次郎と大槻政太郎の二人が、友人の遺言のために訪れようとしている、ネクストワールドと名付けられたゴルフ場と温泉付きの老人ホームもいまや経営者が逃げ銀行管理になってしまっていた。遺品を渡したらとっととその場を去るつもりだった二人は行きがかり上しばらくホームを手伝うことになるが、見えてきたのはレジャー開発企業の土地再開発の計画だった…。
著者等紹介
司城志朗[ツカサキシロウ]
1950年愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒業。放送作家などを経て小説家になる。94年『ひとつぶの砂で砂漠を語れ』で開高健賞奨励賞、98年『ゲノム・ハザード』でサントリーミステリー大賞読者賞を受賞
矢作俊彦[ヤハギトシヒコ]
1950年横浜生まれ。72年「ミステリマガジン」掲載の短篇「抱きしめたい」で小説家デビュー。以後『マイク・ハマーへ伝言』などで注目され、テレビ、ラジオ、映画、漫画など多方面でも活躍。98年『あ・じゃ・ぱ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2004年『ららら科學の子』で三島由紀夫賞、『THE WRONG GOODBYEロング・グッドバイ』で日本冒険小説協会大賞を、受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケロたん
3
潰れかけの老人ホームを舞台に伝説の業師が登場。このコンビ物は面白い。2019/12/10
tetsujin
3
痛快すぎます2017/01/23
efu
3
老人ホームつながりで読みました。面白かったけど・・・こんな切羽詰まった所があるんだろうか?なんてちょっと不安になりました。もとは結構高級な老人ホームだったというのが切ないです。生涯働いて貯めたお金を詐欺に遭ったみたいに無くしてしまう。もともと無い人なら国の助けもあるけれど、中流であっただけに何の補助もない。そういう話ってなんか身に迫ってくるなあ・・・。たぶん日本人の半分以上の人には。2016/10/13
ろーれる
3
悪者が法で守られ、ただの者は生活に喘いでる、じゃ~どうするのか、捕まらないなら法を犯しても悪者をやっつけたい! そんないけない話ですが、もういろいろあって面白い、最後はどうなることやらと思っていたらそうくるかって感じです。2010/12/20
zazo嶋
3
国内の塀の中の施設を「中国」と呼ぶ2人のオッサン。その中国帰りの2人が塀の中の友人の遺言を果たそうととある破綻寸前の老人ホームを訪れる。当初の展開からアレよアレよという間に、悪どく儲ける悪徳大企業から、経営に窮した老人ホームを救出するという痛快な展開に豹変する今作。その救出に必要なものは...5億円ww。中国というムショ帰りのオッサンコンビと行き場のないアラウンド70の老人達が組んで実行したのは「営利誘拐」もどきw。そこに至るまでの経緯にやや安直な設定はあるものの、その誘拐?の手口や、身代金の受け渡し方法2010/11/04
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