トロイメライ

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048741002
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

唄とグルメは那覇の華。武太を惑わす、6つの難事件。犯人は誰だ!?19世紀、幕末時代の琉球王朝。無職の三線弾きだった武太は、新米岡っ引きに任命された。意気揚々と正義に燃えるが、世の中うまくいかないことばかり。毎夜どこかで起こる事件と、一喜一憂する庶民の人情に触れながら、青年はひとつずつ大人への階段を上っていく―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちはや@灯れ松明の火

82
青い空と海のあわいで琉球の民は極彩色の夢を見る。寄せては返す波音、商舟の賑わい、絡む唄声と三線の響き、市井に生きる民の声、それは生命の息吹が成す音色。喧騒の中を三線片手に見習い筑佐事は走り、照りつける日差しが足元に色濃く澱む影を生む。貧しさが引き寄せる悪事の罠、越えられぬ身分の壁と貧富の差、売られてゆく子供たち、理だけでも情のみでも救えぬ弱者。白にも黒にも塗り潰されぬ無数の原色に満ちた街を、奔り続ける。遥か雲の上では蠢き出した嵐の予感、けれど海の都に暮らす者はまだ、色鮮やかな夢に抱かれて今を生きている。 2011/08/18

nyanco

66
華麗な王宮絵巻『テンペスト』も楽しかったが庶民の暮らしの『トロイメライ』は玩具箱をひっくり返したような楽しさに溢れている。三線の名手だが役立たずの新米筑佐事(岡っ引き)・武太が成長していく様も楽しいが、『をなり屋』の部分美人三姉妹・鍋・竈・甕の美味しそうな料理の記述は沖縄版みをつくし料理帳(?)w 大貫長老、怪盗・黒マンサージと脇キャラも光っています。おまけにテンペストの登場人物が各話に必ず一人以上登場するなんてファンサービスも!!池上さんはエンタメ精神が強くたっぷりと楽しませていただきました。続→2010/09/28

mikea

58
「テンペスト」の番外編。先にテンペストを読んでからこちらを読むと楽しさは倍増します。武太が正義感と法の間でどう行動すべきか葛藤するところ、良かった。黒マンサージや魔加那、部分美人の三姉妹が作る料理・・・見どころが沢山あります。テンペストに登場していた人達も所々出てくるので懐かしくなりました。続編「トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ」も早く読みたいです♪2011/06/10

kishikan

51
池上作品を読み終えるといつもほのぼのとした暖かい気分になる。三線の音、そして沖縄民謡、どこまでも青い空とコバルトブルーの海。時間がゆっくり流れ、人々の情と、精神的結びつきに支えられた世界、そうした独特のモチーフで紡がれる池上作品が好きだ。今回は琉球王朝時代が描かれているが、これまたわくわくしながら読み終えた。テンペストはまだ読んでいないが、登場人物が重なるということらしいので、是非読んでみたい。2010/12/04

yooou

51
☆☆☆☆☆ 池上永一に出会えて良かったよ。2010/09/17

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