出版社内容情報
天命こそ、最高の勝負。
江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること──日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!
内容説明
江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1996年、大学在学中に「黒い季節」で第1回スニーカー大賞を受賞しデビュー。以後、小説を刊行しつつ、ゲーム、コミック原作、アニメ制作と活動の場を広げ、複数メディアを横断するクリエイターとして独自の地位を確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
947
☆★☆士農工商の身分制度の厳しい世界であった江戸で、埒外の存在であった碁打ちの春海だからできた波乱万丈の一代記。飽きさせずに読ませる非常に面白い作品でした。時代物初挑戦でこのレベルとは驚きですね。2012/10/28
射手座の天使あきちゃん
855
「本屋大賞授与!」、「まさに明察!!」と叫びたくなる一冊 改暦に生涯を捧げた渋川春海のひたむきさがいいです。それを支える関孝和が、水戸光圀が、安藤が、村瀬が、みんなが好きです。そして「えん」が愛おしいです。 うん、言うことなし、最高!! v(^_^)2010/05/16
ntahima
843
ラノベSF系作家の書いた本屋大賞受賞作と聞き血湧き肉躍る時代活劇かと思いきや、良い意味で肩透かし。丸ごと一冊が長大な後日談であるかのような静謐な読中読後感。時代小説はその独特の文体への慣れと、ある程度の歴史理解を要求する為敬遠されがちである。それはそれで慣れれば心地良いものだが。本書は江戸時代が舞台にも関わらず実に平易かつ明晰な文で書かれていて時代小説初挑戦の方も堪能できること請け合い。尚、より史事に近い渋川春海・関孝和については藤原正彦の「天才の栄光と挫折」に詳しいが、先ずは本書を読むことをお勧めする。2010/10/26
kishikan
833
僕としては、ベストセラー本は触手が伸びないのだけどあまりにも評価が高いので・・・。でもこれは読み始めたら止まらない。こんな面白い時代小説は久しぶり、読んで良かった!。主人公渋川春海もさることながら、この小説に登場する会津藩主保科正之、水戸光圀、関孝和、他全ての人々の描き方が素晴らしい。それが、天文学や算術という一般の時代小説と異なる硬い内容を人間味溢れる壮大な物語にしている。会津藩や関孝和のことなどもっと調べたいという気にさせますね。それにおえんさんとの2度の出会いも素敵だ。まさしく天地明察を記した小説。2011/05/10
文庫フリーク@灯れ松明の火
832
何気ないセリフ・描写なのに、なぜまぶたが熱くなる?のめり込んで読みつつ読み終わるのが惜しい。嬉しいよなぁ、こんな作品に出会えて。渋川春海・なんたる不器用、天晴れな朴念人ではないか。周囲を取り巻く《漢》達・女が惚れるは『必至』 好対照の《こと》に《えん》『誰が掃除をすると思っているのですッ』 構成の布石が活きる《一瞥即解・関孝和》 著者にとってもこの作品は『天を相手に真剣勝負』だったはず。天に触れました。心に凍みました。次の作品光圀ですか。さらなる『天』に触れる作品『頼みましたよ』2010/09/09
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- 和書
- ケルトの薄明 ちくま文庫




