内容説明
ロシア圏専門の旅行代理店を営む関口卓也は、美貌の女性タチアナ・クリヤカワ(ターニャ)をアテンドすることになる。だがターニャが日本に来た目的は、自分の妹を殺したヤクザへの報復だった。事件に巻き込まれた卓也はターニャと逃亡をはかるが、組長を殺された舎弟・藤倉奈津夫の執拗な追い込みをかけられるはめに。一方、事件の捜査を担当することになった警視庁組織犯罪対策部の寒河江は、やがて、全く見えない事件の本質と日本で暗躍するロシアン・マフィアの動向に注目していくのだが…。東京、新潟、そして稚内。1000km以上に及ぶ極限の逃亡劇の結末は―?警察小説の名手の新境地!会心の長編クライム・サスペンス。
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950年北海道夕張市生まれ。89年刊行の『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。2001年刊行の『武揚伝』で新田次郎文学賞受賞。そして、09年刊行の『廃墟に乞う』で第142回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
B-Beat
31
◎結局この本が読メ登録300冊目の記念すべき一作となった。佐々木譲作品については「ベルリン飛行司令」を読んで以来、史実を巧みに織り交ぜた冒険アクション風テイストがお気に入りで、最近の刑事警察物もサクサクと読み易くついつい図書館にて手に取ってきたんだなあと振り返る。本作で17冊め。題名が「北帰行」といういかにも自分好みのテイストを感じさせたが、日本列島を東京から新潟さらに北海道、そしてサハリン・ロシアと縦断する逃避行劇を現在社会を舞台にスリリングに展開するのはやはり難しいかというのが正直な感想。 2014/02/22
よむよむ
29
佐々木ファンとしては・・・なんだかな~と思ってしまいました。ヤクザ屋さん話が苦手なせいもあるけれど、感情移入できる人物がいなかった。ラストの展開は十分読めたけど、あまりに唐突な感じがした。次回作に期待したい!2010/07/18
RIN
27
フリーの旅行エージェントがロシアンマフィアと日本の暴力団の抗争に巻き込まれ…。ちょっと佐々木譲さんぽくない設定のハードボイルド。こういうのも描くんだ、と驚き。柴田哲孝さん『国境に降る雪』と似た雰囲気。ハードボイルドの王道的切なさ満載。 余談ながら、サハリンは一大コリアン・ロシアン・マフィアの拠点だとか。北方領土が戻ってきてもいろいろ大変そう。2018/09/25
mazda
18
婢伝五稜郭に続いて2作目。どちらも追われる立場の人間が、逃げ続けながら戦う感じの作品。率直におもしろかったです。一気読みしてしまいました。佐々木さんの次の作品も積読にあるので、これから読むのが楽しみです。2012/10/27
ゆみねこ
16
ヤクザとロシアンマフィアの抗争に巻き込まれ、家族まで犠牲にされたアテンダントの関口。東京、新潟、稚内と女ヒットマンターニャと共に行動するはめに。ヤクザがドンパチやるのは仕方ないけれど、関口の妹は気の毒過ぎる。最後は救いようのない幕切れで残念。ストーリーはさくさく読めて面白かったけれど。2011/04/26
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