内容説明
法を超えた捜査機関それは正義か、強欲か?犯罪組織のブラックマネーを狙う“ブラックチェンバー”にスカウトされた警視庁の河合は、違法取引を追うべく台北、バンコク、東京へ。そして、恐るべき犯罪計画がその姿を現す!人類を蝕む国際犯罪を追う破格のクライムサスペンス。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年名古屋市生まれ。慶應義塾大学法学部中退。79年『感傷の街角』で第1回小説推理新人賞を受賞しデビュー。86年『深夜曲馬団』で第4回日本冒険小説協会最優秀短編賞、91年『新宿鮫』で第12回吉川英治文学新人賞、第44回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。94年『無間人形 新宿鮫4』で第110回直木賞を、2004年『パンドラ・アイランド』で第17回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫綺
90
世界をまたにかける超法規的組織体、ブラックチェンバー。強欲と正義は両立できるのか。元警官の苦悩を描く、ミステリー的ハードボイルド。読後にざらつきの残る一冊。2014/08/02
ゆみねこ
24
やくざとロシアンマフィアの違法取引の捜査中に拉致され、殺される寸前にブラックチェンバーと言う組織に命を救われた刑事河合。警察をやめそのメンバーに加わるが…。誰が味方で誰が敵なのか読んでいるうちにこんがらがって来る。元北の工作員チヒがクールで格好いい。だんだん心が通じ合って来たと思ったら最後は少し残念。今どきのやくざは国際的で経済活動が主流なのか。2011/12/19
そーいち
15
大沢在昌さんお得意の多国籍の人物をフルに扱ったダーク犯罪小説。スケールの大きい話かと思ったのだが、最終が日本に戻っていくので逆にスケールが小さくまとまってしまったのが残念。戦闘シーンが思ったよりも少なくトライアンドエラーの会話で物語が進むので不満が出て来る気もする。ただ人物描写は相変わらず上手く、戦闘要員でバディを組むチヒの存在がリアルで良かった。また大沢さんの代名詞でもある犯罪やトラブルに対する先見の明が遺憾なく発揮されており今読むと意外に新鮮にうつる作品であった。2023/12/22
福蔵
13
「鮫」の短編でリハビリをしたので、大沢さんの長編にチャレンジ。読み始めが面白かっただけに、伏線とはいいながら中盤が中だるみしているように思われた。最初にブラックチェンバーを「M:I」や「Aチーム」や「仕事人」みたいなものかと勝手に想像してしまったがために、待っていたラストには爽快感はなかった。決して面白くなかったわけではなく、誰が味方なのかわからなくなる心理戦にはドキドキさせられた。以下、勝手に脳内キャスティング。河合→大沢たかお、渡部篤郎 チヒ→田中 麗奈 北平→鹿賀 丈史 松本幸四郎あたりかな。2012/07/08
まぁにぃ
12
ん~、もったいない! 全体的に面白いのに。 海外を舞台にした前半のドキドキ感と、日本みに帰ってきてからの後半が違いすぎる。 もっと公安vs組対vs暴力団をドロドロと絡めてほしかったなぁ。 最後が「えっ、これで完結?」ってなってしまった。 もったいない!2015/04/04