出版社内容情報
大地は裂け、星までもが消えてゆく・・・。
冴子は、父の秘められた過去と、地球に迫る危機を知る。果たして生き延びることができるか、父と再び会えるのか。小説と科学が融合し、人類が経験したことのない根源的な恐怖を突きつける、ホラー小説の最終形!
内容説明
きっと会える―冴子は失踪前の父がボリビアで書き残した手記のなかに、世界の仕組みを解き明かす鍵を発見した。テレビマンの恋人、霊能者、物理学者の力を借り、もう少しですべての答えを手にできそうだが…。
著者等紹介
鈴木光司[スズキコウジ]
1957年浜松生まれ、慶應義塾大学仏文科卒。90年第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞となった『楽園』でデビュー。95年発表の『らせん』で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』のシリーズは大きなブレイクを果たし、90年代を代表するエンタテインメント小説となった。ハリウッドでもナオミ・ワッツ主演“The Ring”などが映画化されるが、以後ホラー長編小説の筆を断ち、『シーズ ザ デイ』『神々のプロムナード』など家族愛をテーマに据えた大作を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
56
あまり、納得できる結果とはならなかった。上巻で、いっぱいに風呂敷を広げたうえで、焦点化してストーリーが進んでいたので、わかりやすく、この先どうなるのかという期待感があった。その風呂敷をうまく畳みきれなかったという印象。失踪事件というミステリー要素もあって、楽しんで読み進めたが、最後は何もかも超常現象頼りで結論をつけた。人類史や世界の成り立ちなどの興味の持ちようにより、評価が分かれると思います。2019/08/08
PSV
32
ボンクラ過ぎてもう流水大説(笑)難しい言葉とか、流水大先生の言葉遊びだと思えば苦はない。もしくは、山本弘御大にも通じるボンクラさを感じる。しかし、この二人にあって鈴木光司に足りないものは、多分情熱かなぁ。もっとボンクラにこだわってもいいと思う。 ★★★☆☆2012/05/13
就寝30分前
21
上巻と打って変わり話がどんどん進む。謎の失踪事件が一気に遥か銀河の星々が消滅する話に拡大し、終盤に至っては天使と悪魔の話にまで変化する。嫌いではないが、話をどうまとめるのか心配してしまった。一貫して科学的理論や根拠(自分には分かりません。)でストーリーが積み上げられてきたのに、肝心なところで天使と悪魔は表裏一体などと言い、感動の展開がチャチャっと訪れる。どうせなら科学論半分、宗教論半分でよかったんじゃないかと思う。けど、まぁ嫌いじゃない。2016/07/12
ぐうぐう
21
πの値が変化する。昨日までとは違う今日を表現するのに、このアイデアは充分にそそられる。人々の失踪事件が、やがて宇宙規模のカタストロフィーへとなだれ込む展開を、鈴木光司は最新の科学理論(先日読んだばかりのリサ・ランドールの余剰次元まで登場する)を駆使して描こうとする。霊的な怖さに貶めないための、鈴木の矜持を感じさせる。しかし、それがおもしろさに繋がっていかないところが残念だ。あまりにも壮大すぎる理論が、物語に馴染むどころか、違和感を覚えさせるのだ。(つづく)2016/04/27
金吾
19
小説としては面白かったですが、何故このような展開になるのかはよくわかりませんでした。ラストはエッと思いましたが、スケールの大きな話であることはよくわかりました。2021/01/05
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- 和書
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