出版社内容情報
刀術の天才・榊原久馬は、独身のはずだった。ところが彼の家にいるはずのない女性の姿があるという。それはかつて辻斬りに殺された町娘、小夜だった・・・「影女房」をはじめとした剣にまつわる短編怪談集。
内容説明
地次源兵衛が横領の罪で追われた。他人の過ちや不正を正し、藩の勘定方として定評のある彼だったが、人間嫌いという性癖故、怨まれたのである。5人の討手を送られた地次は、滅多斬りにされたはずだった。だが、彼の死体はどこにもなかった―『這いずり』をはじめ、剣に生き、剣に魅せられた下級武士の悲哀と怪異を描いた傑作怪談時代小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろん
9
以前に借りて読んだのに、忘れてもう一度借りてしまいました。最初の短編の幽霊が可愛く思えるのが笑えます。2013/11/17
かもい
4
菊地秀行と言えば伝奇物のイメージが強く手に取っていなかったのだけど、三津田信三さんが「茂助に関わる談合」を著書の中で取り上げていて気に入ったので本書も読んでみた。 やはり「茂助」が際立っているけど、「這いずり」ものたうつイメージが視覚的ですごく良かった…。 なんか久しぶりに異形コレクション読みたくなったな~。2019/01/07
へいぞー
2
剣にかける思いが、あまり理解出来ない時代に生きているせいか、「何もそこまで」と思ってしまいました。這いずりと茂助が不気味で怖かった。2019/02/19
ゆう
1
借りちゃった(てへ)菊地先生と夢枕先生といえば一騎打ちの描写がべらぼうに長いというイメージがあったけど、短編集ではそんなこと無かった…!中でも1話目の影女房は姑さんと謎の小夜さんの交流など微笑ましいシーンもあり、非常に面白く読んだ。2013/06/15
よう
1
ゾッとするような人外の相手との剣のやりとりをモチーフにした短編集。一話完結で登場人物も変わり、また2ページぐらいのショートショートのような幽霊話もあったりして、読んでいて飽きない。伝奇ホラーでも発揮されるさすがの面白さ。2013/06/05