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黒い春

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048732086
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

監察医務院に運び込まれた遺体の肺に未知の黒色胞子が発見された。それから一年後の五月、口から黒い粉を撤き散らし、苦悶の表情を残し絶命するという黒手病の犠牲者が全国各地で続出する。厚生省で急遽研究チームが召集され監察医・飯守俊樹もその一員に加わるが、彼らでさえすぐに打つ手はなかった。ただ、飯守たちは黒手病で亡くなった人々が滋賀県に多いことに着目し、一人の歴史研究家にたどりつく―。黒手病感染者がでる来年五月までの究明に向け、飯守たちは再び動きはじめた。いま、愛する者のために男たちの不屈の闘いがはじまる。歴史から消された一人の異邦人と、黒手病の謎に迫る傑作書き下ろし長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

73
突然咳き込み、黒い粉状のものを吐き出して亡くなる「黒手病」。5月に突然発症し、発症した人間は必ず死に至る恐ろしいもの。その病と闘う、監察医や感染症研究のスペシャリストたち。かなり前に読んで印象深かったけれど、読み返してもやはり面白かった。家族のきずなや愛情も含め、読みごたえのある1冊です。雪子さん、残念でした…。2017/11/26

とろこ

53
興味深くて、一気読みだった。フィクションだし、17年も前に書かれた小説なのに、古臭くない。そして、他人事とは思えなかった。数時間前までは全くの健康体だった人々が、突然、黒い粉を吐き、悶絶して死亡する。その原因は…。日本では絶滅したとされていた結核菌も、耐性をつけて復活した。現代日本は、大気・土壌汚染、オゾン層の破壊などなど、色々な問題を抱えている。黒手病ではなくとも、自然を踏みにじってきたつけが、ウィルスや病原菌、細菌などの突然変異という形で、人類に回ってくるというのは、じゅうぶんにあり得る話だと思った。2017/02/26

クリママ

45
発症すれば30分で死に至る黒手病。原因をたどれば、先に読んだ「比ぶ者なき」の、今となってはわかりようもない時代にまで逆上る。25年以上も前の作品だが、何ら違和感を感じない。現在も怖ろしい感染症が現れ、対策はすぐには見つからない。安易に未知のものへ手を出してはいけないという警告か。それまでは特に好意を抱く存在でもなかったが、死を覚悟した幼い子を持つ母親の、残される家族への思い、その強さが、いっそう切ない。2017/01/11

のあ

41
怖い、すごく怖い。発症したら黒い唾液が出て、黒い粉を吐きながら100%死ぬ。。。治療法も予防法もない…花粉症用マスクだけで防げるわけが無い!こんなの流行ったら家から一歩も出れない。読み応えと一気読みさせるのはさすが!!2017/04/24

達ちゃん

33
コロナ下の今と思い読んだパンデミックもの。研究者の奮闘と家族との絆を絡めたストーリーに引き込まれました。読んで良かったです。2020/07/26

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