内容説明
「無実の罪」ドキュメント―作家への野心を持つ鷹見に無謀な企画が持ち込まれた。彼を容疑者とする架空の殺人事件をしたて、警察とマスコミがいかに冤罪を作り出すか暴こうというのだ。警察自慢のDNA鑑定すら欺き、計画どおり容疑者となった鷹見。しかし、彼が突きつけられたのは、まったく身に覚えのない現実の女性殺害容疑であった。だれもが一笑に付す被告の言い分を信じ、戦後初の陪審裁判にのぞむ弁護士森江春策。その闘いは、彼らをさらなる窮地に追い込むことになるのだが。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フリスビー
8
快哉! 原発事故や裁判員制度を先取りしている先見性が光っています。法廷ミステリとしてひじょうに良くできており、DNA鑑定や血液型への過信が冤罪を引き起こすという話に驚く。裁判自体にも罠が仕掛けられていて、その罠をいかに突破するのかというどんでん返しが熱かったです。主人公の弁護士もスーパーマン過ぎず、説得力がありました。まだ裁判員制度がない頃の作品なのに、すごく先を行ってる作品です。2013/03/11
こやまるぅ
1
本書が書かれた当時は陪審員制度も原発事故もなかったはずなのに、現在の話として読めちゃいます。作者は未来を見通せるんですかね…。『冤罪計画』DNAや血液型を変えて空想の殺人を行い冤罪で逮捕される計画。最初聞いたときはそんなこと出来るのかよと思いましたし生物化学苦手な私には詳しいところまではあんまり理解できませんでした(笑) この作品のメインは裁判なので読む分には大丈夫ですが!裁判ものはラストに向かうに連れてワクワクしながら読めるので私は好きです。陪審員に選ばれる日も来るかもしれないので、善悪を見極められる目2015/01/29
二分五厘
0
1999.4.4
鈴と空
0
「文句なし!」ではないんだけど、好き。特に後半。裁判が始まってから気分も一気に乗ってきた。2009/05/20
月と星
0
★★★★★日本で陪審員制度があったら。現在、日本は裁判員制度ですが、それと近い内容です。科学至上主義に一考を要するDNA鑑定の話しです。
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- 和書
- 日本敵討ち異相