感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YUUUUMI
17
水にまつわる出来事を描いた7話の短編集。『浮遊する水』では、大人が見えない何かが見える子供の描写がとても不気味。母親である淑美の視点で描かれる出来事を想像すると、もうあの水に触れることはできないだろうと思う。映画化もしている作品だが、この短編をどのように100分超に描いているのかが気になる。他の物語にも共通して思うのは、どの物語も人の内側の部分が描かれていて、その後どうなるのか、想像させられるような結末だった。2025/04/17
あさみ
13
リングシリーズはほとんど全て読んでるのに、この有名な一冊は読んでなかった。映画になったのは短編「浮遊する水」で結末が違うし、お化けというより陰湿な気味の悪さかな。やっぱり貯水タンクなの…?作者が海好きなのは知ってたけど、どれも水にまつわる話なのでなんだか逃げ場がない。「穴ぐら」は漁師の親子が狂ってしまった理由がヤバい。もともと暴力的で狂ってるのに…。「ウォーター・カラー」は劇団の公演中の話で、最後に理解するまで混乱した。プロローグとエピローグは「海に沈む森」とリンクしてて感動作?だと思います。2025/06/02
流之助
11
映画飲みみていたけれどようやく原作小説を読めた。水という、生命にはなくてはならない存在をテーマにしているからか、すべての作品に生の感覚が強くあった。良くも悪くも生々しく、生死の匂いが濃い。死中に活を見出すことが、効率だけで生きていない人間の強かさなのかも。2024/07/10
Mik.Vicky
9
水を題材にした短編集。読みやすい話でスイスイ読める。子供の頃夢に見たような印象を持ちつつ読んでいった。最後の「海に沈む森」が印象深かった。ケイビング、面白そうだと素直に感じた。2016/10/17
ふなこ
7
なんか読みたくなって。多分高校生の頃読んで再読。ひたひたと迫る怖さが良い。「浮遊する水」と「夢の島クルーズ」が良かった。前者はじわじわと日常に不気味が染み込んでくる感じ、後者は平和な世界が見えているのに水上で逃れられない感じ、どちらも好み。大晦日に読む本じゃないけども、怖かったー。堪能。2023/12/31