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内容説明
「永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」生物教師・伊藤が着任した女子校「私立藤凰学院」にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、ある女生徒から声をかけられる。自分がその「死なない生徒」だと言ってはばからない彼女だったが、程なく彼女は何者かの手によって殺害されてしまう―。果たして「不死」の意味とは?そして犯人の目的は!?第16回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞者・野崎まどが放つ、独創的ミステリ。
著者等紹介
野崎まど[ノザキマド]
東京都墨田区生まれ。2009年『「映」アムリタ』でデビュー。第16回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞の経歴をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
流言
150
オカルト落ちからの更なるオカルト落ち。過去の作品が日常落ちからの超常落ちを得意としたこともあり、きれいに騙されてしまいました。悔しいが面白い。自分の好みでいえば同作者の作品でいえばトップ。理屈でなんとか納得できるレベルのオカルトで話をまとめ上げてからの、それをあざ笑うようなどぎつい”本物”の超自然が世界を根底からひっくり返してぐちゃぐちゃにする感じが心地よい。なるほどこれは友達になれないわけでぞっとするほど腑に落ちる。「教育をなめていた」という話だし、タイトル通りの「識別組子とさまよえる不死」の話でした。2013/05/14
ひめありす@灯れ松明の火
103
ぷち野崎まど祭りのラストを飾ります一冊です。一番読みたかった一冊が、一番最後に回ってきました。『2』を先月読んでから、ずっと読んでみたかったのです。しかし、この作者さんは凄く装丁に恵まれていますね。『映』はMW文庫スタートだったので、電撃文庫からの移行がしやすいラノベちっくな装丁で、『パーフェクトフレンド』は子ども達の愛らしさが前面に出てます。『2』は野崎まどを知っていない人を寄せ付けないおどろおどろしさ。『舞面』はお面全面アピールで、『小説家』はリアル原稿登場というリアルさ。そしてこの装丁。好きです。2012/12/16
Yobata
90
幼,小,中,高と2500人強の生徒が在籍する女子高「私立藤凰学院」に着任した生物教師・伊藤。その学校には「永遠の命を持つ生徒」がいるという噂があった。話半分で聞いていた伊藤だが、ある女子生徒から声をかけられる。その女生徒はなんとその噂の張本人である死なない生徒を自称をする識別組子だった。しかし程なく彼女は何者かに殺害されてしまう。しかし後日可愛求実という別人の体で識別は戻ってくる。識別組子が持つ不死の秘密とは?そして犯人の目的は…?今回のテーマは不死と教育。肉体を別にして精神,記憶を共有する形で不死を→2013/08/03
ヒロユキ
80
被害者=証言者・謎解き役を今風に、ラノベ風に魅力的に描けています。しかも犯人探しだけに止まらず、不死の仕組みにも考察の手を伸ばします。さらに解き明かされる不死の仕組みすらオチへの前フリになっているとわ。最後はホント、死角からガツンと殴られたような衝撃でした。2012/10/07
dr2006
60
歴史ある名門女子校に雇用された生物学教師の伊藤は、永遠の命を持った生徒がいるという(特に生物学に対し)非科学的な噂を聞く。永遠の命を題材とした作品を多々読んできたが、本作は、シュレディンガーの猫が登場する量子力学的なアプローチによりミステリーへ昇華されいて斬新だと思う。所謂ラノベ文庫だけどそれ的な着地はせず、読者の想像力は場外へ乱れ倒される。多分、作者は出版社や編集者の敷いたレールには乗らないような独自性を貫いていると思われ、自分は毎回それを楽しみにしている(笑)ペシっと前頭葉を刺激された様で心地よい。2020/11/06
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