内容説明
都内の進学校に通う高校三年生の妃望は、父親とは生まれた時から引き離され、娘をかえりみない母親と二人で暮らしている。幼少の頃から自由を与えられなかった妃望は、学校では友達も作らず、家に帰っても一人、孤独な毎日を送っていた。しかし母が留守になる週末には、隣の部屋の男と、締め切った部屋の中、ずっと二人で過ごしている。体の関係を重ねる二人は、恋人でもなければセフレでもない。安らぎを求めるように男の部屋に通う妃望は、何故かいつも記憶の一部を失くしている。男を「オッサン」と呼び、その名前を憶えることもない。失くしてしまった妃望の記憶が戻った時―その中には、あまりにも残酷で悲しい真実が隠されていた。第8回魔法のiらんど大賞・銀賞受賞。
著者等紹介
卯花かなり[ウノハナカナリ]
『誰にも言わない』で、第8回魔法のiらんど大賞・銀賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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