内容説明
鎌倉幕府討幕の志が捨て去れぬ後醍醐天皇は、夢のお告げに現われた天皇親政の先駆けとなる武士・楠木正成に使いを送る。時は元弘元年(1331年)、第十六代執権・北条守時の治世であった。後醍醐天皇と正成は互いに、乱れた政治を行う鎌倉幕府討幕の思いを強くする。しかし後醍醐天皇は幕府に囚われ、隠岐島へと配流されてしまった。ただ独り残された楠木正成は、それでも敢然と挙兵した。楠木軍はたった一千の手勢で、巨大な幕府の数万の大軍に対峙するが…。無謀ともいえる壮烈なる戦いが発端となり、時代は混沌の渦へ―。血の匂いたつ戦乱の世を生きた英雄たちを、情熱的な筆致で描いた著者渾身の歴史大河小説。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青学大卒。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている
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