内容説明
それは１本の電話から始まった…。“忙しい”が口癖のＯＬ亜理子は、その晩十数年ぶりに幼なじみ恵美の声を聞いた。偶然亜理子の連絡先を知ったという恵美は、奇妙に明るい声で、梨紗も誘ってかつての仲よし３人組で再会しようという。“なぜ、いまごろ、どうして…？”心の奥に閉ざされていた夢のような妖しい記憶。亜理子は軽い眩暈とともに、あの夏へと溯っていった―。現代社会に生息する、あたりまえで不思議な女性たちと、彼女たちの深層に潜む恐ろしい原体験を綴る、衝撃のサイコ・サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
9
「忙しい」が口癖のOL亜理子はいつもスケジュールが埋っていないと安心できない性質。ある時幼馴染みの恵美から十数年ぶりに電話をもらった。梨沙も誘ってかつての仲良し三人組で会おうと言う。突然の電話に不審を抱きつつ再会した3人だが恵美は虚言癖が激しくなっており、梨沙は絶えず手を洗っているマクベス夫人さながらの女性になっていた。3人がかつて子供の頃に淡い思いを抱いた乾という少年に、恵美の今の恋人・哲士がよく似ていた事から、閉じておいた思い出の蓋が開いてしまう。2001/10/20
