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内容説明
高校入学の日から、彼女の異様な大人しさは僕の印象に残った。誰もが気になって仕方ないほどの存在感を持ちながら誰も触れられなかった彼女―黒崎麻由。文化祭の準備の中、僕とのささいな会話をきっかけに、黒崎は少しずつクラスに迎え入れられていくのだけど、彼女には僕たちの知らない影が寄り添っていて…。そんな彼女のそばに、僕はいたいと思った―。えんため大賞優秀賞、美しく危うく脆い二人の「黒」が織り成すドラマティック青春ストーリー。第16回えんため大賞優秀賞。
著者等紹介
久遠侑[クドウユウ]
80年代末の生まれ。静岡県出身、埼玉県育ち。第16回えんため大賞優秀賞受賞の今作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
78
ライトノベルらしからぬ落ち着いて上品な佇まいの物語。やや一般文芸より枠なのかも。こういう振り切れる直前の淡々とした感じのお話しは好きです。どうやら作者さんは同い年位らしく、放課後内緒で見せ合う習作みたいな雰囲気が随所に感じられました。きっとこの人と同じ時代の空気を吸ってる。みたいな。色を失った少女の黒崎さんとカラフルな仲間達。黒崎さんは絶対に何かを隠しているし、白石さんもただお淑やかなだけではないと思うのです。日常を計画的に生きる黒井くんもそれだけの男じゃないでしょう~という感じなので次に明かされるのかな2015/07/25
よっち
63
誰もが気になる存在感がありながら、周囲から隔絶された存在だった黒崎麻由。そんな彼女の世界が些細な会話から一歩踏み出してくれた黒井をきっかけに変わっていく物語。これまで周囲と交流のなかった麻由の不器用さがとても可愛くて、緩やかでも確実に変わっていく彼女を支えてくれる仲間たちができたことは、彼女にとって幸運だったんだなあと。そうなってしまうだけの背景があった麻由も、一緒にいたいと翻意させた黒井や支えてくれる友人たちがいれば頑張っていけますね。こういう落ち着いた雰囲気の物語はわりと自分好みなので続編に期待です。2015/01/30
異世界西郷さん
50
表紙に一目惚れして購入。したものの、よくよく見てみるとそうでもないかなと思いつつ読了。なんというか、恋愛物なのかホラー物なのかよく分からないまま話が進み、読みながらモヤモヤしてしまいました。ノギハラの話も、彼がもっと話に絡んでいれば感情移入しやすかったのでしょうけど、最後に出てきてそんなこと言われても……ねぇ? といった感じでした。とはいえ、孤独だった麻由が黒井と関わり、少しずつ周りと打ち解けていく姿は丁寧に描かれていたと思います。続きは気が向けば。2015/04/11
まりも
46
周囲と関わる事なくただ教室にいるだけの少女黒崎麻由。主人公の黒井が文化祭をきっかけに彼女に声をかけた事で黒崎麻由との交流が始まる話。地味ではあるけどこういう静かな青春作品もアリですね。孤独に慣れてしまった麻由の不器用さが、黒井や他の友達と一緒に過ごしていく事で少しずつ変わっていく姿は読んでいて癒されました。章と章の間に不安を煽る言葉を入れる事で作品に緊張感を入れたのは良いけど、その割に終盤があっさりすぎたのは残念。これならホラーはいらなかった気もします。何にせよ、黒井と麻由の今後が気になるし次巻も期待。2015/01/31
半熟タマゴ
37
クラスで異様な雰囲気を放ってる黒崎さんが黒井くんとちょっとした会話をした事をきっかけに少しずつ変わっていく。静かに淡々と物語が進んでいくのだけれど、それがどこか心地よかった。ただ、後半の話の流れがちょっと強引だったかなと。好みの作品ではあるので、今後の展開に期待したい。黒崎さんの色んな表情が見てみたいな。特に笑顔。2015/03/06
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