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内容説明
『わたしとあなたがはじまった場所へ。あなたが裏切った場所へ。約束をはたしに来て』―是光の携帯に届く、“藤乃”から“ヒカル”に宛てたメール。そこには、紫織子の写真が添付されていた…。信州に向かい、藤乃と対面した是光。そこへ藤乃を名乗り紫織子を誘拐した人物の情報がもたらされる。彼女の真意は何なのか。はたされなかった約束とは。ヒカルが命を落とした場所で、すべての秘密が暴かれ、そして―。感動のクライマックス!!
著者等紹介
野村美月[ノムラミズキ]
福島出身。『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回えんため大賞小説部門最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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なんとなく本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
109
風に揺れ、雨に打たれ、己を守る術は得ず、ただ散るに任せてか細く俯いて咲いた藤の花。しどけなく降る花弁は雪の様、無邪気に淫らに誘惑する年上の彼女。抱き締めて、抱き締めて、とこちらへ向け墜ちながら咲いてくる。禁断の供物を口にしてしまったのは、どちらが先?藤の花は光を想いの蔦で絡め取り、雁字搦めにして動けなくさせてしまったけれど、同時に光が何処へも逃げ出さずに最愛の花達と向かい合い優しい「さよなら」を言える様に、この世界に縛り付けてくれた。光と光を是と認めたたった一人の親友。二つの光を廻る愛憎劇、これにて大団円2014/08/17
黎明卿(禍腐渦狂紳士タッキー)
98
〝ありがとう、是光。きみは、ぼくのヒーローだったよ。出会ってくれて、ありがとう。友達になってくれて、ありがとう(ヒカル)〟完結。ラストはヒカルの最愛・藤乃。文学少女に続き、私の心に残る感動の作品となりました。動き出す黒幕、ヒカルの死の真相、最愛という名の絶望と呪い……。今までの伏線が回収され、息もつかせぬ展開に一気読み。ヒカルが愛した花たちへの最後の別れ、そして、死んでからずっと一緒にいた友達・是光。是光は笑えるように、ヒカルは泣けるようになり、2人が交わした約束が果たされ、もう涙が溢れるラストでした。2018/02/10
よっち
91
是光が苦しい思いを抱えていたヒカルの最愛の人、藤乃に会いにいった最終巻。ヒカルの死から始まった一連の物語も、これでついに完結しました。ヒカルの代理人だった是光が、ヒカルと直接関係無い立場で、最初から支えて、思いをぶつけてくれた存在を選んだのは納得。ヒカルに何らかの思いを抱えていた人たちも、是光やヒカルの思いに触れ、前を向いて一歩を踏み出しましたね。最初幽霊が出てきて、その辺物語的にどうなのかと感じていましたが、終わってみれば非常にとてもしっくり来る納得度の高い結末だったと思います。次回作も期待しています。2014/04/26
コリ
84
とうとう完結。終わってしまうのは寂しいが文句の無い綺麗なラストだった。友情と恋愛それぞれが最高のバランスを持ってる作品だと思う。明かされる真相と伏線の回収は見事の一言。どんどん引き込まれ、あっという間に読み終わってしまった。今回も是光は間違いなくヒーローだった。そしてエピローグ、初々しい是光と帆夏が微笑ましくてニヤニヤが止まらない(笑)帆夏が報われて本当に良かった。どうかいつまでも幸せに…。朝ちゃんは最後まで素直じゃないなぁ。ま、あれはあれで可愛いんだが(笑)落ち着いたらまた最初から読み返してみようかな。2014/04/30
た〜
84
【心理描写型】ハーレム相続コンプリート、ではなく”ヒカル”と”ヒカルの最愛”救済の物語。二人の関係はそういうことだったのか。とか、ヒカルのハーレム王子っぷりがそんな伏線だったのか。とか、冒頭から※※※※だ。とか、中盤のドロドロ恐ろしい、とか。色々あるけれど納得のラスト、かな。2014/04/30