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内容説明
社会主義の理想を愛するグレーテルが、反革命的な少年カレルに知らされたのは―『帰れないふたりのために』。亡命に失敗後テオドールを救うため国家保安省の犬となったリィズ―その苛烈な3年間が明かされる『どうか、あの幸せな日々を』。仲間からの迫害に疲れ果てた范氏蘭の前に現れた人は―『笑顔の価値は』。他「黒の宣告」がグダンスクを去る前夜を描く『キルケの災厄』を含む『マブラヴオルタネイティヴ』欧州大戦の一幕を綴る短編集第2集!!
著者等紹介
吉宗鋼紀[ヨシムネコウキ]
PCゲームブランド・アージュの代表
内田弘樹[ウチダヒロキ]
2004年に仮想戦記『幻翼の栄光』(有楽出版社)でデビュー。以後、数々の仮想戦記小説を執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラル
8
短編集第二弾。柴犬は短編集も絶対読んでね。グレーテル、リィズ、ファムの話しに明るいキルケの話題で締めくくり。特に「どうか、あの幸せな日々を」はレクイエム1巻のシルヴィアが可愛く思えてくるレベルの絶望。リィズへの愛しさが急激に高まったお話でもある、ってかこれ読んで高まらねェやつは労働キャンプ送りな。この作品内で特別大嫌いで大好きなお話。これノリノリで書いたとか内田先生マジアクスマン。アクスマンへは殺意しか沸かない。人心掌握の意味もあるとはいえあのベアトリクスが良いやつに見える不思議。次巻は個人的に最高の一冊2015/04/30
シャルシェ
7
Requiem-祈り-に続いて、短編集第二弾である-願い-。グレーテル、リィズ、ファムの過去編、最後にクールビューティであるはずのキルケが暴走しちゃった話。リィズ編は言葉に表せない……壮絶とかそんな言葉が温く感じてしまうほど。5巻読んだ後とこのリィズ編を読んだ後ではがらっと気持ちが変わりました。沈んだ気持ちで読み進めていたのですが、キルケの話で笑わせてもらいました。東と西が手を取り合えば……作中でもカティアたちが言っていますが、そう思わせてくれる話でした。6巻も楽しみです。2015/08/17
ウラー
5
★★★★☆グレーテル、リィズ、ファムの過去編とキルケの短編。重い話が多いのでテオドールをかけて野球拳をはじめるキルケの話は清涼剤でした。個人的に一番気に入ったのはグレーテルの話です。国が垂れ流す汚染物質のせいで妹が失明したカレル少年の「僕はこれでも、この東ドイツという国が好きなんだ。君と同じようにね」という台詞が印象に残ります。目を覆いたくなる現実を前にしても、掲げる理想を恨むのではなく、理想の犠牲になる人を減らしたいと願う。人間の理性の素晴らしさを感じます。→2016/02/21
遊辺
4
グレーテルの過去篇、リィズの過去篇、ファムの過去篇、キルケの海王星作戦後、リィズの過去篇は特に必見。。。というか、本編に入れて欲しい。キルケの災難は本当に災難というか、仕方ないけど完全に立ち位置が三枚目なのね。衛士拳かぁ。2019/08/30
tegi
4
本編の副登場人物たちが、いかにしてそれぞれの信念を抱くに至ったかを描く短編集。前回の短編集もよかったけれども、今回は特にリィズを主人公とした『どうか、あの幸せな日々を』がすさまじい。「君は、誰のためでもなく、君のためだけに生きてもいいんだ」という言葉の恐ろしさ!/とはいえ、これと全く同じロジックで正反対の地点にたどり着くファムを描く『笑顔の価値は』がその次に配置されているおかげで、読者はわずかながら希望を抱くことができる。本編の勢いをブーストする、ファン必読の一冊。2013/11/06