内容説明
接待でも、サービスでもない。古くて新しい茶の湯的「主客」論。
目次
第1章 暮らしを囲う“茶室”的空間(茶室というタイムカプセル;茶の湯から見る現代生活 ほか)
第2章 作法がつくるコミュニケーション(作法を知り、自由を得る;「法」の力を借りる ほか)
第3章 茶事に学ぶ“逆説”のもてなし(「お客様は神様です」か?;茶事に込められた「人間関係」の知恵 ほか)
第4章 マンハッタンから見つめ返す、日本(外側から日本を見る;「お茶にハニーは入れないのか?」 ほか)
第5章 調身、調息、調心―自分自身と向き合うために(季節に出会う;調身、調息、調心 ほか)
著者等紹介
千宗屋[センソウオク]
1975年、京都府生まれ。武者小路千家家元後嗣。96年、慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学大学院前期博士課程修了(中世日本絵画史)。2003年、武者小路千家十五代次期家元として後嗣号「宗屋」を襲名。村上隆、杉本博司など、他分野とのコラボレーションに精力的に取り組む一方、08年には文化庁文化交流使としてアメリカで活動。明治学院大学非常勤講師をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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emi
49
タイトルだけが違和感を感じましたが、中身はお茶についての教養を得られる一冊。三大千家の一つである武者小路千家の家元後嗣である著者によるお話はわかりやすく、現代に生きる中でどうお茶と向き合うのかを考えながら読みました。多分お茶という文化が廃れてなくなることはないのかなと私個人は感じました。ただ、今のお茶は多くの人にとって「非日常」なもの。季節の移ろいを感じるような繊細な文化を中々日常にまで取り込めない。それでも侘びの意味、もてなしの本質など、芯のある和の文化は、もっと携えていてもいい知恵ではないかと思う一冊2016/05/12
たかこ
22
武者小路千家の家元後嗣が書かれた本。茶の本質にせまる内容は、自分の凝り固まった意識を変えてくれた。もし利休がこの時代に生きていたら、どういった茶をするのかな?茶道といえば、伝統を重んじ、礼儀や作法が重要視され、とにかく先人がやってきたようにやるのが良しとされる風潮があると思う。けれど、本来の茶の湯はそんな堅苦しいものではなかったはず。利休はとても柔軟な発想の持ち主で時代を動かす人であったから、現代であれば、インスタとかやっていたかも(笑)。新しい時代にあったものに変化してこそ生活の中の文化だと思う。2020/12/13
なつのふね
17
森下典子さんの「日々是好日」を読んでから 茶道に対して興味を持った。そこで 三つの千家の一つである武者小路千家の家元後嗣の千宗屋さんのこの本を読んだ。ざっと 茶道の歴史を説明し 今日の茶道の現状や 模索している今後について書かれている。高校生ぐらいの年代に分かりやすく書かれたと言う感じで 読みやすい。独服といって 自分のために立てるお茶は本来あまり良くないとされるらしいが 著者は 勧めている。日常のなかで いったん 気持ちを落ち着け整理するための独服。ささやかな茶道具を用意し自らに茶を立てよう。2016/05/28
Minamihama
6
おもてなしとserviceは異なる、確かに。2021/02/17
貧家ピー
5
武者小路千家家元後嗣。 茶道の基本、というか堅苦しいイメージを持っている人に、お茶の楽しさを伝えたい、というような本書。 題名にある内容は、直接的には書かれていないが、もしも利休が現代にいれば、どんな発言・茶席を催すか、想像すると面白い。2017/11/29