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内容説明
芸術を純粋な美の世界において見ようとするあまり、これまでの美術史では、近代のパトロンや金と芸術の問題はともに扱われてこなかった。富と芸術が生み出す、欲望と愛のドラマを探り、美術史に新たな光をあてる。
目次
プロローグ 芸術はなぜパトロンを必要とするか
第1部 パトロンと芸術家をめぐる歴史
第2部 近代美術のパトロン物語
第3部 アメリカン・パトロンの世紀
エピローグ 美術館でパーティを
著者等紹介
海野弘[ウンノヒロシ]
1939年、東京生まれ。早稲田大学文学部露文科卒業。平凡社勤務を経て、執筆活動に入る。自動車、広告などの時代の道具や風俗を読むという独自な手法で、一躍脚光を浴びる。美術、映画、文学、古典芸能、都市文化等をはじめ幅広い分野の評論で知られる。『江戸ふしぎ草子』で斉藤縁雨賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
2
芸術家にとってパトロンの存在が不可欠だったのはルネサンスから18世紀のフランス革命まで。近代以降には、新しい「パトロン」が勃興していく。とりわけ、新興国だったアメリカには南北戦争以降、多数の成金が誕生する。そうした人たちがどう美術に関心を持ち、現代に連なるパトロンとなっていくのか。そんなエピソードが大半を占める。さながら、18世紀までのヨーロッパの繁栄と19世紀後半アkら20世紀のアメリカの隆盛を振り返るような、展開で、そこにも芸術家とパトロンの金と愛憎が渦巻く関係性が伺えて面白いこと請け合いです2012/08/03
けいちか
0
読み終わるのにかなり時間がかかったが、とにかく読了。小説ではなく、新書で、中世からのパトロンと芸術家の関係、またそのコレクションがどの美術館に引き取られているかなどが書かれている本。今まで世界各地の色々な美術館を訪れているが、それらの有名なコレクションがどのように形成されたか、などが分かって興味深かった。たまたま作者が大学の露文科卒ということを知り、それも興味を引いた。しかし、戦後のアメリカの現代美術の部分は芸術家の名前すら知らなくて、かなりきつかった。2007/06/08