角川選書<br> 壊れた仏像の声を聴く―文化財の保存と修復

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角川選書
壊れた仏像の声を聴く―文化財の保存と修復

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047035591
  • NDC分類 718.3
  • Cコード C0371

出版社内容情報

形あるものはかならず消滅する。しかし日本に数多くの美しい仏像が残されているのは、修復の専門家が連綿と活躍し続けてきたからだ。仏像修復の第一人者が、修復現場でこそ出会えた仏の美と日本人の信仰を明かす。

内容説明

「形あるものはかならず消滅する」。釈迦がそう説くにもかかわらず、私たちが数多くの古仏を拝観できるのは、文化財を脈々と伝える専門家の仕事があったからだ。自然環境や天災、ときに人の手によって仏像が壊れるとき、修復家は信仰と保存の間で何を選択し、仏の姿をよみがえらせてきたのか。解体による新発見や震災後の復興など、様々な仏像との出会いから解き明かす。

目次

第1章 仏像はなぜ壊れるのか―破壊と復興
第2章 仏像修復の現場
第3章 日本彫刻の古典技法―素材と工法からみる仏像入門
第4章 壊れた仏像は語る
終章 文化財保存修復の未来

著者等紹介

籔内佐斗司[ヤブウチサトシ]
1953年、大阪生まれ。彫刻家、東京藝術大学大学院教授(文化財保存学)。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、同大学大学院美術研究科修了。同大学保存修復技術研究室にて仏像修復に携わったのち、2004年より現職。平城遷都1300年祭公式キャラクター「せんとくん」を発表したほか、NHKテレビ「趣味Do楽」の講師をつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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chantal(シャンタール)

83
「文化」と「文明」は似て非なるもの。ある土地に定着し、そこでの暮らしから生まれる習慣やさまざまな営みの総体が文化。異なった習慣や文化を持った人たちが効率よく合理的に営める普遍性を持った社会システムの総体が文明。しかし文明は時に紛争を起こす。なるほど。「文化を大切に」なんて良く口にするけど、日本人って、自分たちの文化を本当に大切に守り育んできたのだなあと、つくづくと思う。文化財の保護にはお金がかかる。それでもやはり大切にしていかなければならないものだと思う。私も穏やかな心で仏様と対話したい。2019/12/04

ひさしぶり

18
日本の文化は言語に見られるようにてんこ盛りで、世界史年表が如実に語るように過去へと一直線に辿ることができる。「伝世古」を可能とした要因だと思う。第4章壊れた仏像は語るー 大寺院の巨大仏も確かに逸話は有るものの、地域の村人が浄財を募り守ってきた仏様は涙出そうになる。松山ふるさと歴史館の千手観音像も被災後修復施され公共に。文化財活用は宿坊、劇場等観光とタッグ組むのが1番かと。うん十年前のお城の観劇良かったな。(過ぎた時代に対して畏敬とロマンを感じ、先人に感謝する)その通りだ!2020/01/16

hanagon44

16
丁寧できめ細かい記述で思いのほか楽しく読めました。「伝世古」:ひとの手から手へ大切に守られ受け継がれてきた古いもの。「土中古」:一度は否定されて打ち捨てられ,土の中や海の底に埋没していたものが,ある時代に掘り出されて再評価されたもの。「伝世古」の文化圏である日本を誇らしく思うとともに,グローバル化や効率化などが幅を利かせている現代において地道に支えてくれている人たちの努力がとてもありがたく頼もしいと感じました。文化の継承は未来への財産。疎かにすることは国として終了フラグがたつことになると改めて思います。2015/09/12

こまさん

1
平易な文章だったため一気に読了。仏像を扱う専門家からみた文化財保存の観点を平易に解説した入門的な本。ひとつ、「伝世古」としてあくまでも「信仰の対象」として残されてきた仏像などの文化財を、単なる文化財としての「モノ」として観ることとは別だとする考えは深く納得した。観る側の人間としても、このことは肝に銘じていくべき。2017/09/11

1
図書館。何となく手に取ったら、せんとくんの作者さんだった。読みやすいし、けっこう面白い。2015/11/17

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