角川選書<br> 百人一首で読み解く平安時代

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角川選書
百人一首で読み解く平安時代

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047035164
  • NDC分類 911.147
  • Cコード C0395

出版社内容情報

百人一首は100首の歌による平安朝小史。読めば平安時代が見えてくる!

藤原定家はなぜこの百首を選び、この順番に並べたのか。日本を代表する百人一首研究者が、定家の王朝への想い、巧妙な歌の配列と撰歌意識を読み取り、百人一首を新解釈。歴史書としての新側面を描き出す。

内容説明

天智天皇にはじまり順徳院に終わる私撰和歌集「百人一首」。ここには平安朝の8人の天皇や、保元の乱の勝者・藤原忠通と敗者・崇徳院、歌人としては一流ではなかった紫式部などの和歌が番号順に並ぶ。藤原定家はなぜこの百首を選び、なぜこの順番に配列したのか。日本を代表する百人一首の研究者が、定家の王朝への想い、巧妙な歌の配列と撰歌意識を読み取りながら、百人一首を新解釈。歴史書としての新たな側面を描き出す。

目次

秋の田のかりほの庵のとまをあらみわが衣手は露にぬれつつ(天智天皇)
春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山(持統天皇)
あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかもねむ(柿本人丸)
田子の浦にうち出でてみれば白妙のふじのたかねに雪は降りつつ(山辺赤人)
奥山に紅葉ふみ分けなく鹿の声きく時ぞ秋は悲しき(猿丸大夫)
かささぎの渡せる橋におく霜のしろきを見れば夜ぞふけにける(中納言家持)
天の原ふりさけ見れば春日なるみかさの山に出でし月かも(阿倍仲麿)
わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり(喜撰法師)
花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに(小野小町)
これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関(蝉丸)〔ほか〕

著者等紹介

吉海直人[ヨシカイナオト]
1953年、長崎県生まれ。國學院大學大学院博士後期課程修了。博士(文学)。国文学研究資料館文献資料部助手を経て、同志社女子大学表象文化学部日本語日本文学科教授。専攻は平安文学、特に百人一首、源氏物語(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅてふぁん

28
著者が‘はじめに’で『百人一首は百人の人生によって織りなされた歴史絵巻なのだ』と書いている。ただ‘歌集’として捉えていたけれど、これは‘歴史書’なのか。この本では詠み手や詠まれた背景の他に、どの歌集に採られており(代表歌でもないのに)なぜ定家がこの歌を撰んだのか等、考察がとても詳しく書かれている。秀歌だから撰ばれたのではなく、詠み手の人生史を象徴する歌として意図的に撰ばれたという解釈が印象的だった。百人一首に関連する本は何冊か読んできたけれど、もっと色んな解説書を読んでみたくなった。2017/02/19

bapaksejahtera

15
著者の「百人一首の正体」の原著作の後に書かれた。本書を読む前に「正体」を読むのが順序。本書の表題は寧ろ「正体」本に相応しい。内容は百人一首及び関連する百人秀歌の4首の個々について解釈及び選定理由や関連歌を説く。時代の変化を感じ取りつつ老境に至った定家が、過ぎ去った王朝の残照を君臣一体の理想の時代を欽募しつつ選定したのが百人一首である。よって選考歌は有名歌人の代表歌でない物でも一流歌人とされない者の作品でも作者の疑わしい歌すら敢て取り込み、勅撰集の再解釈も辞せず、定家の思いのままに選んだ百首という事だろうか2023/05/30

ほうすう

10
いくつか並行して読んでいた百人一首本の一つ。ただ他のものと比べていささか毛色が違う。歌の訳などよりも、なぜその歌が収録されたのか、なぜこの歌人をなど、百人一首の背景の考察に力を入れていた印象。他の百人一首本よりも上級者向けにも感じました。2022/06/05

chisarunn

9
百人一首にはナゾがある、と言う類いの本はたくさん出ている。いわく、あんまり有名で無い歌人も含まれているとか、有名な歌人の、あんまり有名でない歌が採用されているとか。勅撰集(国家事業として天皇の命で作った歌集)ではないので、プロデューサー藤原定家の好みなんじゃないの、と言ってしまえばそれまでだが、なかなかどうして、定家くんは一筋縄ではいかないのよ。自分の好みをバッチリ生かしながら、もっと大きなテーマもこなしちゃってるんだな、これが。そこへ踏み込んだ本書である。2021/06/28

氷柱

7
847作目。4月4日から。百人一首が順番に読み解かれて行く。前提知識がないと少しきついものがある。唐突な部分も多く、「ある程度知っている人」向けの解説書であることがすぐにわかる。しかしその分一歩踏み込んだ場所からより深い場所へと導いてくれるのでついて行ける部分についてはより深みへと到達することができる。もう少しあちこちを見渡してから辿り着くべきであった感がすごかった。序盤なのにゲーム中盤で当たるボスに当たってしまったような感じがした。それでも作者の百人一首愛は存分に伝わって来た。2022/04/07

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