内容説明
7世紀から9世紀末までに15回から16回、平均して10数年に1度の割合で派遣された遣唐使。唐の玄宗皇帝に仕えた阿倍仲麻呂、唐人も恐れるほどの学識をもち暦法やさまざまな唐の文化をもたらした吉備真備、仏教導入に力を尽くした最澄・空海・円仁・霊仙らの超人的な活躍、鑑真をはじめ唐や東アジア各地からの来日僧など、遣唐使船によって往来した綺羅星のような人物群に焦点をあて、古代社会に開花した華麗な文化を描く。
目次
第1章 遣唐使と古代の東アジア
第2章 遣唐使と天平文化
第3章 遣唐使と歌―平群広成と阿倍仲麻呂をめぐる夢想
第4章 遣唐留学者の役割
第5章 来日した唐人たち
第6章 最澄・空海と霊仙
第7章 阿倍仲麻呂と玄宗・楊貴妃の唐長安
第8章 最後の遣唐使と円仁の入唐求法
第9章 遣唐使と唐物への憧憬
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mimm
3
個人的に第3章・7・9章が面白かったです。眠くなる文章との落差が激しい…。一部訳文なしだったり、基礎知識が必要な章もあるので、遣唐使時代さっぱりな自分には難しいところも。漂着して殺されたり、病気で死んだり難破で溺死したり行方不明になったり、逃げてしまったり。当たり前のことなのだけど、危険と隣り合わせていた遣唐使には、軽くショックを受けました。2012/02/27
kozawa
1
まだまだ研究は続いてるんだなぁ、当たり前だけど2011/01/24
藤埜
0
遣唐使がいつ始まりいつ終えたのか、と言った基本的なところも押えられるし、一歩進んだ「どういった人々が唐に渡り」「唐で何を学んで」「日本に戻り何を成したのか」を学べた。しかし、本当に昔の渡海は命がけで、命をかけても学びたい何かがある先人に心から敬意を捧げ、自分もそこまでの情熱で様々なものに取り組みたいと思う。2014/07/10