内容説明
生命とは何か?種とは何か?発生とは何か?死とは何か?進化とは何か?遺伝とは何か?生物学には、分かっているようで、解明されていないことがたくさんある。だからこそ、生物学は面白い。一見取っつきにくそうだが、基礎さえ理解していれば、新聞の記事や生物学の本を、より楽しく深く読むことができる。事象の本質へダイレクトに迫り、現代の生物学を分かりやすく解き明かす。
目次
第1章 生命についての素朴な疑問(生きているってどんなこと?;環境は守らねばならないのか? ほか)
第2章 生物の仕組み(卵はどうして親になるのか?;遺伝子は生命の設計図か? ほか)
第3章 進化と由来の不思議(地球にバクテリアしかいなかった頃;クジラは昔カバだった? ほか)
第4章 病気のなぞ(がんになる人ならぬ人;エイズはどうして治らないのか? ほか)
著者等紹介
池田清彦[イケダキヨヒコ]
1947年、東京生まれ。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。現在、山梨大学教育人間科学部教授。構造主義生物学の見地から、多彩な評論活動を行う
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トムトム
21
こういう本を読んでおくと、病気や死は怖くなくなる。生命数十億年の歴史は捕食者との闘い、自分の免疫力VS病気・怪我との闘い。そして運もたくさん作用する。全生物、死ぬまで生きているだけ。その間に子孫を残せれば成功!死ぬのが怖くて生きてられるか!というぐらいに開き直ると、人生楽ちんです♪捕食者がいない分だけ、人間は気楽です。2020/04/06
Tomomi Yazaki
14
近年の生物学は、その進歩が凄まじく速い。そしてその全てを知る人は恐らくいない。根幹を抑えているつもりでも、それが揺るぎないものか自信が持てない。そこで学び直しをする為に本書を選びました。初歩と言っても池田先生なら質もレベルも高いはずだから、という期待を持って精読しました。環境は守るべきものか?環境破壊があるから生物は進化する。つまり環境を守るのは人間中心のエゴそのもの。話は遺伝子診断にまで及ぶ。明言はしていないけど、多様性を認めつつも出生前診断を推進している社会を、本書では暗に咎めているように思えます。2025/01/23
ZEPPELIN
6
初歩からとはいえ、理科嫌いにはちょっと難しい箇所もちらほら。科学が進歩したとはいえ、生物にはまだまだ謎が多い。細胞の複雑な仕組みは分かっても、なぜそうなっているのかは分からない。将来的にも分からないかもしれない。がんになりやすい体質まで遺伝することを考えると、生物の進化はやっぱり結果なのかなぁと思う。単細胞から多細胞、無性生殖から有性生殖になったおかげで多様性を獲得できた反面、複雑で面倒な性質まで抱えてしまうなんて、自然はうまく出来ている2014/05/25
よし
5
高校の時、生物の授業が面白くなく、終わりのチャイムがいつも待ち遠しかったのが、何故か思い出される。(苦笑)ただ受験用、単位取りの暗記科目にすぎなかった。「生きているとは?」「生命とは?」など 生物に関する初歩的、素朴な疑問が満載で、一つ一つ分かり易く応えてくれる。知的好奇心を満たしてくれるのがいい。「人間は10年前と今とでは自己を形成する物質がすべて変わってしまってる。にもかかわらず、自分は自分だと認識している。つまり「自己同一性」という意識を持つ」「こころはどこにあるのか?」も面白く謎に満ちている。2014/10/14
tk
3
池田清彦でググると「トンデモ」とか出てきた。 この本に対する批判を読んでなぜ自分が生物学が嫌いなのかがはっきりとわかった。 それは生物学を議論するには膨大な知識が必要だし、その知識があったとしても、他の要素の影響を完全に否定できないので、議論の応酬になるだけで非生産的に見えてしまうからだ。 そういう点では歴史学と全く同じであると思う。2011/02/28
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