角川選書<br> 殺生と戦争の民俗学―柳田國男と千葉徳爾

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角川選書
殺生と戦争の民俗学―柳田國男と千葉徳爾

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  • サイズ B6判/ページ数 392p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047036079
  • NDC分類 380.1
  • Cコード C0395

出版社内容情報

戦場で人は何故、残酷なのか?怪物学的民俗学者の学問を今に問う渾身の評論柳田國男の最後の弟子、千葉徳爾。だが師の名に比して彼を知る人は少ない。
徹底して自然主義を貫いた千葉は、しかしその異端さゆえに、「民俗学者」と名乗ることを抗い続けた柳田の最も正統な弟子とも言える。
千葉が異様なほど固執した「殺生の快楽」、必然的に導かれる「戦争」と民俗学の密接な関わり。
「公民の民俗学」として柳田学を説いてきた著者が、自らの師の研究に対峙し、現代の民俗学の在り方までを問う渾身の評論。

(目次)
序章 千葉徳爾『切腹の話』を読む
第一章「山の人生」とワンダーフォーゲル
第二章 青年運動としての民俗学
第三章 殺生の快楽
第四章 戦場の民俗学者
第五章 実験の史学という問題
第六章 「固有信仰」としての残虐性
第七章 環境の民俗学
第八章 コラージュする民俗学者
第九章 「閃き」と「排泄」の学問
第十章 日本民俗学の「頽廃」とは何か
第十一章 千葉徳爾のロマン主義殺し
       ――再び「聖セバスチャン」殉教画をめぐって
あとがき



序章 千葉徳爾『切腹の話』を読む
第一章「山の人生」とワンダーフォーゲル
第二章 青年運動としての民俗学
第三章 殺生の快楽
第四章 戦場の民俗学者
第五章 実験の史学という問題
第六章 「固有信仰」としての残虐性
第七章 環境の民俗学
第八章 コラージュする民俗学者
第九章 「閃き」と「排泄」の学問
第十章 日本民俗学の「頽廃」とは何か
第十一章 千葉徳爾のロマン主義殺し
       ――再び「聖セバスチャン」殉教画をめぐって
あとがき


大塚 英志[オオツカ エイジ]
1958年生まれ。筑波大学人文学類卒業。日本民俗学専攻。批評家、まんが原作者。神戸芸術工科大学教授、東京大学情報学環特任教授等を歴任、現在は国際日本文化研究センター研究部教授。評論としての著書に『「捨て子」たちの民俗学――小泉八雲と柳田國男』(角川選書/第5回角川財団学芸賞)、『公民の民俗学』(作品社)、『怪談前夜 柳田民俗学と自然主義』(角川選書)、『社会をつくれなかったこの国がそれでもソーシャルであるための柳田國男入門』(角川EPUB選書)などがある。

内容説明

柳田國男の最後の弟子、千葉徳爾。だが師の名に比して彼を知る人は少ない。徹底して自然主義を貫いた千葉は、しかしその異端さゆえに、「民俗学者」と名乗ることに抗い続けた柳田の最も正統な弟子とも言える。千葉が異様なほど固執した「殺生の快楽」、必然的に導かれる「戦争」と民俗学の密接な関わり。「公民の民俗学」として柳田学を説いてきた著者が、自らの師の研究に対峙し、現代の民俗学の在り方までを問う渾身の評論。

目次

序章 千葉徳爾『切腹の話』を読む
第1章 『山の人生』とワンダーフォーゲル
第2章 青年運動としての民俗学
第3章 殺生の快楽
第4章 戦場の民俗学者
第5章 実験の史学という問題
第6章 「固有信仰」としての残虐性
第7章 環境の民俗学
第8章 コラージュする民俗学者
第9章 「閃き」と「排泄」の学問
第10章 日本民俗学の「頽廃」とは何か
第11章 千葉徳爾のロマン主義殺し―再び「聖セバスチャン」殉教画をめぐって

著者等紹介

大塚英志[オオツカエイジ]
1958年生まれ。筑波大学人文学類卒業。日本民俗学専攻。批評家、まんが原作者。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授等を歴任、現在は、国際日本文化研究センター研究部教授。評論としての著書に『「捨て子」たちの民俗学―小泉八雲と柳田國男』(角川選書/第5回角川財団学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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アナクマ

26
柳田國男のツイート(室町末期のマツタケ贈答品の激増)が、千葉の『はげ山の研究』のきっかけ。千葉は切腹新書の著者にして中学時代に犬の解体をしてみた地理・民俗学者。その師弟関係(柳田→千葉→大塚)を軸に、社会を内省する作法/民俗学をかえりみる。◉まずは先達が記録した山人伝承を読んでからまたここに戻ってこよう。◉ところで、科学に基礎づけた頭数管理を標榜しようとしている現代狩猟の現場における、命を前にしたハンターの個々の呻吟・葛藤が気になっている。なぜだろう。→2019/06/15

iwasabi47

2
大塚英志氏の学生時代の恩師千葉徳爾と柳田國男の話。以前の大塚氏の著作の中で千葉氏は『民俗学は偽史である』と昔語ったそうである。それだけで気になる話ではないか。以前の大塚氏の民俗学著作の話も再考察(というか言葉濁さず)されててそのあたりも面白い。内容はまだ消化できずw2017/04/18

tama

1
冒頭の「切腹考」の印象が強烈すぎて頭を離れない。論が進む中で、千葉の学問の真の姿、柳田の民俗学の可能性が明らかになっていくという構成なのだが、本質に迫ったというスリリングな感じはせずに、ただ論だけが進んでいく。読後にあまり納得感はない。思い出したのが、昔読んだ「山の人生」が素晴らしすぎて、同じような本は他にないかと柳田の著作を漁ったこと。だが、大塚の言うような柳田独特の筆致(結論が結局よくわからない文章)に惑わされただけで終わった。千葉にとっても「山の人生」は特別な本のようなので、そこには親近感を感じた。2022/04/18

がんちゃん

1
「社会を内省する作法」こんなことを考えている人はいるのだろうか?政治家にはいないことだけは確かだ。2018/10/25

Myrmidon

1
自らのロマン主義的傾向と揺れ動きながら、 内省する公民を作り出そうとする「公民の民俗学」を志向した柳田と、その構想を素直ではないが継承した弟子の千葉。彼らは持て余し気味にも見える「私」(個人的心情や性向)と向き合いながら、現代的・同時代的な関心に基づいて社会や公共の在り方を追究した。とゆー。柄谷の『遊動論』の批判も書かれているが、これは要復習。2017/06/14

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