内容説明
ユーラシア大陸の東西両端という距離にありながら、アイルランドのケルトと日本には、通じ合う何かがある―。近年注目の集まるケルトそして日本に、気鋭の研究者たちと、画家、文明文化論考家、詩人、映画監督が多角的にアプローチ。柳田国男、ラフカディオ・ハーン、イェイツ、ドルイド、ケルトマニア、ピンクフロイド、詩歌、グリーンマン等々、バラエティに富んだ視点で双方を照射する、画期的ケルト考。
目次
1 畏怖する精神
2 宇宙観の諸相(ケルト神話の宇宙観―ドルイドを中心にして;「ケルト的なもの」はなぜ賛美されたのか―近代国民国家の創造とケルト性)
3 ケルト世界を巡る人々(W.B.イェイツとたそがれのケルト;ケルトマニアの系譜―ケルト起源神話に憑かれた人々)
4 日本とケルトを繋ぐもの(妖精の国と妖怪の国;「直観」でつかむケルト;「なく鹿のこゑきくときぞ」―古代アイルランドと大和の詩;現代社会とアニミズム―今、なぜケルトか;グリーンマンと葉守の神)
5 習合とエグザイルの精神
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
6
ケルトと言われたものを宗教、地学、歴史など多角的に見ようとする論を編集したもの。 なにぶん古い文献なので少々の戸惑いはあるが、今でも、特にドルイドの文化意義の説明は読ませる。 ただ、本書が最も推す「ケルトと日本」の関連はとてもロマンを大きく感じるが、それ以上にこじつけに近い疑問を覚える。 地理や他民族関係の条件が似通っているというだけで交流もないのに、「近い関係」は論文として如何なものかと思う。2018/04/24
takao
2
ふむ2023/12/08
すがし
1
玉石混交。井村君江さんは別格としても、論文のレベルにはかなりばらつきがある。特に日本との関連を論じたものは、論理が成り立っていないものが多く、期待外れも甚だしい。2007/04/24
p.p.
0
宗教学、ケルト学、画家、外交官、作曲家、などといったさまざまな視点からのケルト論。鎌田東二・鶴岡真弓の対談は、その直前に行われたシンポジウム「ケルトと神道」で寄せられた意見に言及する形で、日本とアイルランドを対として比較対象し、世界的・歴史的位置づけを論じている。2011/11/19
Riko
0
図書館で借りた2008/07/25