内容説明
少年は、父とともに戦場へ行った。維新史の大河をふまえつつ従来にない等身大の少年の視点をもって、会津戊辰戦争の実態と戦場の人間の真実を照射する“もうひとつの戊辰戦史”。
目次
序章 戊辰戦争の勃発
第1章 越後に出兵
第2章 平太の参戦
第3章 奥羽越列藩同盟
第4章 北方政権有利なり
第5章 越後撤退
第6章 会津国境の戦い
第7章 決死の籠城戦
第8章 平太の戦後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
会津少年兵(15歳)の記録に基づく、戊辰戦争の越後戦線。他の戦いに比べて、語られない戦場だが、ここも苛烈であり、勝ち戦や味方の裏切りもある列藩同盟の主戦場だった。この少年は白虎隊のような上層の子弟ではなく、陶工の倅という庶民だったので、最初から最後まで最前線におり、生死が紙一重の戦闘や悲惨な避難民、そして敵味方両軍に頻発する残虐行為(食人も)などが赤裸々に記録されている。目の前で共に従軍した父を失い、自分も又過酷な戦場で病に倒れ、結果として戦争を生き残る。同盟軍や会津の戦争指導の不手際も指摘されている2014/03/05