内容説明
古代日本の南辺は、さまざまな疑問に満ちている。歴史書には一方的にしか記述されていないクマソやハヤトは、はたして何だったのか。文化の伝播という面からは、日本列島への文化の経路として南方からの「海上の道」を想定した柳田国男や、折口信夫を先達とする南島研究によって、日本列島は東アジアの中に一つの位置づけがなされたが、日本文化形成の中で、その「道」はどのような役割を担ったのか。そうした古代日本の南辺をめぐる多くの謎に、論者それぞれの問題意識から迫る。
目次
1 講演(江南の文化と日本文化;古代日本の南島文化;中国・朝鮮からみた古代南西諸島;海人族と日本の基層文化;南島の貝文化―種子島 広田遺跡の貝製品 ほか)
2 討論