内容説明
家族の歴史は性と愛の歴史でもある。男に支配されていない古代の女、主体的・活動的な中世の女、厳しい身分制下の近世の女、良妻賢母の枠にとじこめられた近代の女、そしてゆれる現代の家族の在り方や人間の性愛…。社会構造の激しい変化の中に女たちの生き方を学び、男女共生の望ましい未来像をさぐる。
目次
1 原始古代(原始時代の生活集団と通婚;性愛と結婚;女性と財産;遊行する女たち)
2 中世(平安後期の家の成立と結婚・性愛;中世の「遊女」;嫁取り婚への動きと夫婦の情愛;室町・戦国の性愛とそのゆくえ)
3 近世(恋愛・心中・不義密通;結婚と離婚;家と女性;遊女と飯盛り女)
4 近代(文明開化と性・家族;天皇制と「家」;性意識の変化と廃娼運動;愛と性の自由をもとめて;戦時下の性と家族)
5 現代(憲法24条と新しい民法;現代の「公娼制」と性の自由化;高度経済成長と家族;ゆれる家族)