内容説明
近代ドイツは、霊的衝動にもとづくギリシア精神の復興と近代的合理主義の発展を共に成し遂げた。本書は、この両者を融合させたシュタイナーの視点からフィヒテ・ヘーゲル・ゲーテらの思想を辿り、思考の分裂症を生きるすべての現代人に意識の変革を促す。
目次
1 神秘学と哲学
2 カントとフィヒテ
3 ドイツ・ロマン派
4 ヘーゲルとその学派
5 思想家ゲーテ
6 ブレンターノとシュタイナー
7 シュタイナーの哲学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デビっちん
15
3回連続してくり返して読みましたが、哲学って難しいです。なんとなくわかったのは、物質的世界と感性的世界があり、思い出すことを通じてあちらの叡智を意識化すると、こちらの世界にメタモルフォーゼが生じるということでしょうか。私たち個人の内部で、人間論(イマギナッツィオン)、宇宙論(インスピラッツィオン)、両者を統合する形而上学(イントゥイツィオン)を体験できるかということが、シュタイナー哲学の方法論なのかなと今は感じました。時間をおいてまた読んでみようと思います。2016/04/22
タケヒロ
7
シュタイナーは、いかにすれば人間の意識の根本的な変革が可能となるのか、という問題に生涯を捧げた。それには、個人と他人を包含した宇宙的な自我の同一性を意識するには、新たな感覚が必要とのこと。例えば、人為的に、今まで何十年間か受け身で生活してきた意識習慣を改めて、自分自身の内部から、まったく能動的な仕方で、イメージの世界を構築してみるという一つの思考実験によって、新たな認識が芽生える(過去失ったもの?)。我々は、今、バラバラだが、本来は一つであるという予感のようなものへの一つの解決案を提示している。2015/05/04
クマリカ
1
シュタイナーの哲学的側面をドイツ観念論やロマン主義などの『地盤』から系統的に示したもので、どこがシュタイナー自身の業績なのかは本書だけでは良くわかりません。 ただ、小我と大我、ユングの自我と自己、密教的なあ字などに対する興味があるヒトにはお勧めの本です。 特にわたしのように哲学的素養を欠いているヒトには。 この本を基点に学び直したいと思いました。 シュタイナーのオカルトとか霊界とかの単語の使い方が一般的なそれと違ってたて事がやっと解った この辺りの解釈はコリン・ウィルソンも間違ってると思う。2014/07/28
satomi
0
読み込んで深く落とし込みたい。ゲーテやヘッセの文学作品も読みたくなりました。2021/06/22