感想・レビュー
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半木 糺
3
作家、環境活動家として活動しているニコル氏が初来日した1962年から空手の段位を取得するまでの二年間を回想した文章。鉄下駄を履いて、慣れない土地と風習の中で空手の修行に励むニコル氏の姿は時に苛烈で、時にユーモラスである。また、大気汚染が進み、淀んだ東京の姿や、空襲を免れ豊かな田園地帯と町並みを残す秋津の村など、当時の日本の新旧入り混じった光景が描かれており、興味をそそられる。わずか数行だが、三島由紀夫と邂逅したことを匂わせる文章もあった。2016/11/13
