感想・レビュー
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kokada_jnet
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将棋観戦記者の代表的存在だった倉島竹二郎による近代将棋を扱った古典的な著。メインの文章は「盤側四十年」とあり、観戦記者となった1932年から、この本の刊行の1971年までを数えて「四十年」としたのだろうが。実態は、1932年からはじまり、木村が大山に名人を奪われた1952年までの記述しかないので「盤側二十年」しかない。その他「鬼才・升田幸三」という中篇的なエッセイも収録。巻末の「大山対中原 新旧勢力の激突」は名人になる1年前の「中原十段」の人柄を描いているが、20ページほどしかなく、バランスが悪い。2025/04/28