内容説明
刊行から百年以上も経た現在でも歴史地理学の基礎資料として活用されている『大日本地名辞書』を独力で十三年かけて編纂した吉田東伍。東伍の業績は、この大著にとどまらない。日韓の関係史の起源を遡る『日韓古史断』、画期的な水利書とされた『利根治水論考』などを著した東伍。これらの多彩な活動の原動力は何だったのだろうか。「学校はわかりきったことしか教えてくれなかったので行く気がしなかった」と語り、「図書館卒業」と言って憚らなかった東伍の先駆的な生涯を、現代の歴史地理学の第一人者が、臨場感溢れる筆致で活写する。
目次
序章 吉田東伍の今日的意義
第1章 原風景としての越後蒲原
第2章 史実への挑戦
第3章 北海道のくせ者
第4章 『日韓古史断』前後
第5章 『大日本地名辞書』の刊行
第6章 地誌の思想
第7章 疾駆する「猛獣」
終章 銚子行
著者等紹介
千田稔[センダミノル]
1942年奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究地理学専攻修了。歴史地理学専攻。国際日本文化研究センター教授。文学博士。人文地理学会会長。『古代日本の歴史地理学的研究』(岩波書店)などの歴史地理学の一連の業績で第七回(平成六年)浜田青陵賞受賞
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