内容説明
終わることのないボーイフレンドとの電話。まだ見ぬ友たちへ希望のメッセージを送り続けるポケベル少年。僕らの思いはいつも届かず、行き止まるけれど、賑やかな毎日は静かに過ぎ、そして去っていく…。出会い、別れ、そしていつかは訪れる旅立ちのとき。ささやかな、けれどかけがえのない高校生たちの過ぎ行く季節を鮮やかに切り取った12の掌編を収録。いまを生き抜く新しき世代に向けた、ポップアップなショートストーリー集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KARA
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個人タクシーの運転手さんの言葉をいつまでも胸にしまっておこう♪最後の講演会での辻さんの話好きだ!2011/11/10
rubbersoul
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「『釣りを教えるって言ったのは俺だし、俺、アヤカのこと本気で好きだから』。アヤカは握りしめられている手が一瞬軽くなるのを感じた。ぐいぐいと自分を引っ張っていくマキオのことをそのとき初めて、カレシではなく、コイビトだと感じた。二人は叱られた。母親は二人の前で泣き出した。アヤカは叱られながらずっとマキオの顔を横目で見ていた。マキオは何回も、すみませんでした、と言い続けた。そこにいたマキオはいつも元気な体育会系のマキオではなく頼もしい一人の男だった」2024/04/30
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