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出版社内容情報
100人に1人が罹患すると言われる 「統合失調症」。決して珍しくはない病気だが、幻覚や極端な妄想など通常の精神状態からは想像しにくい症状のため、その理解は必ずしも進んでいるとは言えない。
発症した時、本人の脳内はどんな混乱状態になっているのか? 闘病から社会復帰の過程まで、女性が自らの発症体験を、繊細かつ優しいタッチで描いたコミックエッセイ。
内容説明
統合失調症患者の脳内で何が起こっているのか?自らの発症体験を患者が克明に描くコミックエッセイ。
目次
発症編(発症)
発症した後で編(発症後;社会復帰挑戦;就労移行)
入院編(入院)
受け入れる編(病の受容)
伝えたいこと編(伝えたいこと)
著者等紹介
Himaco[HIMACO]
短期大学を卒業後、栄養士として働くなかで統合失調症を発症した。絵を描くことが趣味で、発症時の体験をコミックエッセイにまとめSNSで発信し反響を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
47
読み友さんの感想から。発症、発症後、入院、受け入れると分けられた章どれもがPTSDを恐れているような、軟着陸できるような描写なことにハッとさせられました。断片的にしか思い出せない辛い思い出。今まで見た中で一番美しい空の思い出のコラムが「もう二度と見たくありません」という言葉でとじられていること。「夜を駆けたのは」という言葉と、YOASOBIの「夜に駆ける」。読み終わって(風邪といっしょだ、完治する薬はまだないけれどよく聞く薬も良いお医者さんもいて、治る病気なんだ)と強く思いました。Himacoさんに感謝。2024/01/31
k sato
29
精神疾患に対する偏見は当事者の中にもある。作者・Himacoさんの告白にドキリとした。それは私も同じだったからだ。病を受容するまでは、過去の自分が否定され、未来は人として扱われなくなるのではという恐怖が付きまとった。しかし、作者は周囲に左右されることなく、体調の波と折り合いをつけながら生活を豊かにしている。そして小さな幸せを幾つも見つけた。それができたのは、自分の人生は自分で選びたいという意志があったからだ。精神疾患の当事者であっても「ありたい自分」を描いていい。今の、ありのままの自分でいいんだ。2024/05/18
くさてる
26
統合失調症の当事者によるエッセイコミック。発病から入院、投薬治療から、社会復帰に向けての生活などが、美しく柔らかい描線で描かれています。いろんな病気の当事者のエッセイコミックが世に溢れていますが、これだけ素敵な絵でなおかつ内容の豊かさと分かりやすさ、メッセージ性の高さが揃っている作品は珍しいと感じました。題名の不気味さ(しかしこの題名で正解だと思うのです)を苦手と感じるかもしれませんが、100人に一人が患うこの病気を良く知るためにも、おすすめの一冊です。2024/01/06
エル・トポ
22
不穏なタイトルと、にっこり微笑む淡い色調の明るい絵の著書。この表紙がすべてを表している。発症前は自身も差別感を抱いていた精神疾患。元々病識を持つのが難しい病気ではあるけれど、現実を受け入れたくないから病気であるという事実を受け入れたくない、というのもある。印象的なのが母親。罹患者である娘(著者)が幼い頃は自分の人生に不満だらけで、娘の話を聞いてあげる事もできずに、家の中は不潔で鼠が巣食っていた。発症後は明らかに生活も態度も変えている。ここには描かれていないが、勉強して自らを改めたのだろうな。娘のために。2024/05/20
猫路(ねころ)
17
当事者による漫画エッセイ、タッチは素直に描いたような心やさしい人なのかなと思います。たくさんの奇妙な事が降りかかると、しんどいのはわかります。でも前に、未来に、進むしかないんだなって思いました。2024/04/20