内容説明
これまで謎に包まれていた朝香宮夫妻の1920年代パリ滞在時の生活が3000枚にものぼる受領証から浮かび上がる。当時の一般勤労家庭の142倍の生活費で皇族は何を買いどんな暮らしを送っていたのか?
目次
プロローグ 東京都庭園美術館に眠っていた新史料
第1章 鳩彦王の留学―男やもめのパリ
2章 允子妃のパリファッションと肖像写真
第3章 海を渡ったパリ滞在中のポートレイト
第4章 パリでの優雅な生活と消費構造
第5章 外交官としての皇族
第6章 未来を見たアール・デコ博観覧と朝香宮邸
第7章 朝香宮邸竣工と允子妃
エピローグ 皇族モダニズム
著者等紹介
青木淳子[アオキジュンコ]
1959年福岡県生まれ。学際情報学博士。1982年日本女子大学家政学部被服科卒業後、出版社で雑誌編集に携わる。結婚を機に退社したのち、1998年、日本女子大学大学院家政学研究科修士課程修了。2000年以降、東横学園女子短期大学(現東京都市大学)で服飾文化史など、2006年からフェリス女学院大学でファッション文化の非常勤講師を務める傍ら、2013年東京大学大学院学際情報学府で博士号取得。現在、大東文化大学特任准教授、フェリス女学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむら
32
アール・デコの館「東京都庭園美術館」の元の持ち主は皇族の朝香宮様。この朝香宮夫妻(奥様は明治天皇の娘)が大正時代にパリで2年間生活されてた間の史料(領収書の束)をファッション文化史の学者が分析。切り口がユニークな皇族研究。華やかな貴族の世界。当時の庶民の生活費のおよそ142倍!のお買い物! 国の税金で豪遊かよとも思わんでもないが、朝香宮夫婦ったらオシャレでカワイイので許そう。パリでセンス磨いたおかげでいい館作ってくれたし。2017/04/30
若黎
6
図書館本。 戦前の皇族は遊学、留学などて夫妻そろって長期滞在もしてるけど、今はそうもいかない世の中ですねえ。。。 まあ、経済的にも制度的にも違うから、しょうがないか。2023/07/15
timeturner
5
朝香宮夫妻のパリ滞在3年間の領収書があれば凄く面白い本が書けそうなものだけど、学者の手にかかると中途半端な報告書になる。研究の途中でお世話になった義理もあってか皇族寄りの書き方になってはいるけれど、結局は一般家庭の142倍もの生活費をつかって夫婦で《遊学》してたんだよねという感想が残った。2015/11/15
Pamina
1
△2020/06/18
ぽん
1
パリでの朝香宮夫妻の莫大な金額の出費を、浪費や放蕩ととらえるのは間違いだろう。欧米諸国の文化や日本より進んだ文明、世界の公式な場でのマナーなどを身に付け、それを日本に持ち帰って伝えることが大事な使命だったのだから。2015/07/05