出版社内容情報
本土復帰40年。国防の要衝地・沖縄が発する日本国家への問いを直視する。
本土復帰40年を迎える沖縄。激しい基地反対運動の傍らで静かに聞こえてくる基地容認の声……。本土防衛の要衝地・沖縄が発する日本国家への問いとは。極東アジアの国防と沖縄県民の真情を描く迫真のルポルタージュ。
内容説明
悲願の祖国復帰を果たした沖縄を反日基地闘争へ追い込んだのは、誰か?復帰闘争を担った市民と教職員の闘い。普天間飛行場移設を受け入れた名護市長(当時)の決断。米軍基地と県、住民の深い繋がり。莫大な補助金を支払い続ける日本政府…。復帰40年を迎えた沖縄の「声なき声」に迫る。
目次
序章 遺棄―置き去りにされた「国防の島」
第1章 祈り―悲願の祖国復帰
第2章 葛藤―教育とイデオロギーの戦場
第3章 決断―基地をめぐる「世論」の行方
第4章 依存―暮らしのなかにある基地
第5章 活用―基地を使う
終章 交渉―沖縄の過去・現在・未来
著者等紹介
宮本雅史[ミヤモトマサフミ]
1953年、和歌山県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、産経新聞社入社。1990年、ハーバード大学国際問題研究所に訪問研究員として留学。1993年、ゼネコン汚職事件のスクープで新聞協会賞を受賞。その後、書籍編集者、ジャーナリストを経て、現在、産経新聞社那覇支局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃば
4
この本に書いてある主張を鵜呑みにするかは別にして、色々な見方を知ることは自分の意見を主張する上で大切なことですね。そのために読みました。勉強になる部分もあり、よかったです。2013/02/06
乱読家 護る会支持!
4
帝国日本に対する被害者意識、沖縄復興に貢献した米軍、暴行略奪を繰り返した米軍、安保時の本土のイデオロギーの影響、教職員組合による反日・反米教育。中国・韓国への親近感。当事者意識のない本土の反応。私、沖縄について全くの勉強不足でした。勉強します!!★★★★☆2012/09/26
山下 賀久
3
お客様とのアポの間が空いたので、ジュンク堂で立ち読みしました。辺野古基地問題についてのニュースを見るときに感じていた疑問がクリアになりました。沖縄の人々は基地に依存している側面は全く報道されず、特に産業のない北部では米軍基地があることにより地元経済が潤う。いろいろ問題があるが、経済的発展と地元の活気が生まれるなら基地も歓迎する、という声は絶対に報道されないとのことでした。反対しているのは地元民以外と左翼。そもそも国対国で合意しているものを市長や知事が横槍を入れるのはおかしい。成程なあと思う一冊でした。2015/04/03
kozawa
3
産経新聞バイアス炸裂。結局この本の主張を素直に同意して例えばそのうち「基地の土地の使用料に依存して基地反対じゃない県民がたくさんいる」(それ自体は当然事実、たくさん、の程度は問題だが)と言った所で「それでいいんか」って所は無視。まぁツッコミどころは色々あるけど、時々産経新聞ウェブに載る妄想記事と比べればまともな本。(基地維持派の人のインタビューを大量に載せて、まぁそれはいいんだけど、「基地反対運動報道のせいで勝手に県民は反対ということにされてしまう」っていう論理が出てくるけど、それでは各種世論調査をどう説2012/08/05
Humbaba
2
地域のつながりが強いからこそ、一度議論の道筋が生まれてしまうとそれ以外の意見は発しにくくなる。例え原因は何であれ、好むと好まざるとにかかわらずそれを受け入れて現在の生活が成り立っているのは否定出来ない。大きく環境を変えようと思えば、そのような今までの生活の基盤を失う可能性もあり、それを認められる人ばかりではない。2015/10/29
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