出版社内容情報
死刑判決を受けたあさま山荘事件のことや、獄中から見た世の中をせつせつと詠いあげる。おのれのためでなく死刑廃止を願う真意とは。〈あらざるにわが子の名前を考へをり死刑囚にして独り身のわれが〉。
【著者紹介】
1946年11月12日千葉県生まれ。1962年4月木更津高校入学。1965年4月東京水産大学(現・東京海洋大学)入学、のち中退。1972年2月28日、あさま山荘事件で逮捕。1993年2月19日最高裁で死刑判決。1990年代に、獄中で西行『山家集』を読んだことをきっかけに歌作を始め、青木郁男に師事する。朝日新聞の「朝日歌壇」に投稿、島田修二、佐佐木幸綱選歌欄に掲載され、その後佐佐木幸綱に師事。1993年に歌集『坂口弘歌稿』、2007年に『常しへの道』を刊行。
目次
冬の花火
新世紀
国民の敵
新獄舎
ときの淘汰
派兵
水琴窟
生存死刑囚
著者等紹介
坂口弘[サカグチヒロシ]
1946年11月12日千葉県生まれ。1962年4月木更津高校入学。1965年4月東京水産大学(現・東京海洋大学)入学のち中退。1972年2月28日あさま山荘事件で逮捕。1993年2月19日最高裁で死刑判決(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
31
坂口弘の第二歌集。2000年から2007年に詠まれた歌が収録されている。本歌集が刊行された時点で、坂口の獄中生活は43年間にも及ぶ。獄中でも社会の情報はある程度入ってくるのだろうが、やはりそこでの生活は時間が止まったような感覚を受けるに違いない。事実、本歌集刊行時に坂口は70歳を迎えようとしているのだが、こちらが受ける坂口の印象は、連赤事件を扱った書籍や浅間山荘銃撃戦を報道した当時のニュース映像の、まだ二十代の坂口の姿だったりする。まさしく、時間がそこで止まってしまっているのだ。(つづく)2023/07/19
葛
1
発行:2015年3月25日 著者:坂口弘 選:佐佐木幸綱 発行者:郡司聡 発行所:株式会社KADOKAWA 編集:角川学芸出版 印刷製本:中央精版印刷株式会社 定価:本体1800円(税別)2023/01/05