アメリカの鏡・日本 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784046519689
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0030

目次

第1章 爆撃機から見たアメリカの政策
第2章 懲罰と拘束
第3章 世界的脅威の正体
第4章 伝統的侵略性
第5章 改革と再教育
第6章 最初の教科「合法的に行動すること」
第7章 鵞鳥のソース
第8章 第五の自由
第9章 誰のための共栄圏か
第10章 教育者たちの資質

著者等紹介

ミアーズ,ヘレン[ミアーズ,ヘレン][Mears,Helen]
1900年生まれ(1898年の説もあり)。1920年代から日米が開戦する直前まで二度にわたって中国と日本を訪れ、東洋学を研究。戦争中はミシガン大学、ノースウェスタン大学などで日本社会について講義していた。1946年に連合国最高司令官総司令部の諮問機関「労働政策11人委員会」のメンバーとして来日、戦後日本の労働基本法の策定にたずさわった。1989年、没

伊藤延司[イトウノブジ]
1934年、長野県生まれ。毎日新聞社英文局長、出版局次長、学芸部長、パリ支局長、ジュネーブ支局長などを歴任。現在、Japan Creative Services代表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

13
GHQのメンバーにミアーズ女史のような日本の歴史文化に精通した良識人がいたことに驚いた。彼女は元来日本人は好戦的な民族ではないこと、日本が軍事大国化した背景にはアメリカなどの支援があり、日本の満州進出を仕向けたのも列強側であると、本書で見解を述べている。しかし、本書はマッカーサーの指示で発禁となり、GHQは戦争責任を日本に押し付け、”狂信的なジャップ”たちが二度とアメリカに歯向かわないよう「民主化教育」を行ったのであった。アメリカが日本の姿を鏡として自ら反省していれば世界情勢は変わっていたことであろう。2014/10/31

芸術家くーまん843

8
1948年にGHQ労働局で働いた女性により書かれアメリカで出版された書籍。日本ではGHQから翻訳出版不許可となっていた。当時日本が西欧の国際力学を学び実践した結果西欧列強のように植民地を持ったときには批判されず西欧列強の権益を脅かすようになると一転日本は凶暴で貪欲になったということ。昔も今も国際社会とは経済と軍事力を通じ国益を最大化させるための交渉の場、日本は国際連盟で人種差別撤廃を主張したが否決。ちょうどウクライナのロシア併合のタイミング、国家間の外交は地政学というパワーバランスで決まると思う一冊。2014/03/21

isao_key

8
この本を知ったのは<ぼやきくっくり>内の「外国人から見た日本人」で引用されていたことから。1948年に出版された本だが、現代のわれわれが読んでも歴史を知るだけでなく、欧米人の思考・戦略を知るのに極めて優れた書である。東洋史専門の著者は、日本と欧米列国との間で太平洋戦争に至ったまでの歴史を実に公平な観点で新聞、報告書など資料を使って冷静に分析している。欧米列国の欺瞞さ、有色人種に対する差別意識を、欧米人の立場からこれほどはっきりと書いた歴史書は、他に類を見ない。現代史をきちんと知る上で、読んでおきたい一冊。2012/12/24

清水勇

7
図書館本なるも再読。この本は多くのことを教えてくれる。私達が如何に複雑な現象を簡略化したがるのか、その簡略化で平常時はありえない間違った方向に容易に突き進んでしまうのか、それが歴史的には多くの人を不幸にしてきたのかを、著者のあくまで冷静でかつ論理的思考の展開を通して理解できる。1947年時点での著者のアメリカの今後の予想が、ベトナム戦争で、イラク戦争で実現。著者の予想とは逆に、日本が戦争の原因を究明せず安きに流れたことで、今なお隣国に間違ったレッテル(凶暴で貪欲)で非難され続けている不条理に惨憺たる思い。2014/04/30

清水勇

6
衝撃だった。日本が無謀な戦争に突入した理由を知る為に数多くの本を読んできたが、この本ですっきりと納得させられた。1947年、戦争終了後数年で、バランス感覚を持って、パワーポリティクスに翻弄されて戦争に突入した日本を論理的に描きだしたこの女性の著者のすごさと、このような女性を生み出せるアメリカの底力を痛感。平和愛好の民が、帝国主義国家(英米独仏等)に一から帝国主義を指導され、一番の優等生として卒業したにもかかわらず、それゆえに戦争でつぶされた現実をまざまざと知らされた。この本が絶版になっているのは惜しい。2014/04/03

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