出版社内容情報
そうだったのか、がいっぱい!! 名作「長靴をはいた猫」の長編が登場!
父が亡くなり、3兄弟で財産をわけることになったジャン。しかしジャンの取り分はなんと猫1匹!! 落ち込む彼に、「私がご主人を幸せにします!」――突然猫が話しかけてきた!? 天才猫による三男大変身計画スタート!
内容説明
死んだお父さんの財産を分けることになった3兄弟。長男は水車小屋、次男はロバをもらったけど、末っ子・ジャンの取り分はなんと猫のフィロー1匹だけ!落ちこむジャンに―「わたしがご主人を幸せにしてみせます」なんと猫が話しかけてきた!?おいしい食事に住むところ。何でも手に入れてしまうだけでなく、フィローの天才的な知恵によって、さえないジャンがみるみる変身していく…!夢と友情あふれる名作。小学中級から。
著者等紹介
結川カズノ[ユイカワカズノ]
熊本県出身、埼玉県在住のイラストレーター。小説挿絵やゲームなど様々な分野で活躍中。『長ぐつをはいた猫』で、児童書の分野にも進出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
66
大元の話を基本的に守った上で、かなり内容を膨らました作品。原典のツッコミどころに理由付けしたり、各登場人物の性格付けをはっきりさせたり、工夫が効いてなかなか楽しい。計算高い猫のフィローとお人好しのジャンの会話にも可笑しみがある。作品そのものがコンゲーム的な味わいに染め直してあるのも面白い仕掛け。登場するお姫さまが聡明なのも効果的。ジャンとお姫さまがちゃんと交流があった上で、結ばれるのも良い感じ。かなり面白いアレンジに仕上がっていると思います。2019/06/01
喪中の雨巫女。
12
《私-図書館》ペローもビックリ。長靴をはいた猫をモチーフにして、こんなに面白くなるなんて、ビックリ、ポンです。2019/07/31
maiko
9
原作はもっと短いものを、作者さんが深堀してできた一冊とのこと。おかげでより入り込めてとても楽しめた。怪我をした猫を助けた貧しい粉ひきの青年ジャン。父親が帰らぬ人となり、手元に残ったのは猫のフィロー一匹。そこから幸せな生活の為にフィローの特訓がはじまる。2022/10/28
Gray-ru
6
おお、想像以上に面白かった!「長靴をはいた猫」という作品の筋を思い出したくて澁澤龍彦さんの訳したそれも読んでみたけれど、たしかにそれがオリジナルなのだろうけれど、なーんか求めているものと違うな、という気がしてならなかったのだよな。この作品も私の理想の「長靴をはいた猫」とは違うのだけれどそれとは別物として、面白かった。現代の児童小説として良質な作品であると思う。お姫様が可愛いだけのお飾りじゃないところが良いね(可愛いのは確かだけれど)。無能そうな王様も、無能じゃなくて狸だったところもよかった(笑2012/03/06
hexia
4
児童向け作品はそう頻繁には読まないのだが、私は著者のお名前を「鋼鉄の虹」のころにうかがっており、その縁で手に取った▼ペローの短編をうまく膨らまして、現代っ子の疑問やツッコミにも応えられるようになっている。イラストも可愛くて、昔話のリファインかくあれかしという見本にしたいくらいの出来栄えだと思う▼にしても、文盲でも剣がからきしでも、とにかく顔がよければ「磨けば光る」ということになるのか。やはり「ただしイケメンに限る」なのか2017/06/23