内容説明
友情と信頼をまもろうと命がけで走る青年の姿をえがいた「走れメロス」など、太宰の本当の良さがわかる感動的な11の短編。犬がこわいのに犬に好かれてしまう太宰と飼い犬との交流を楽しく語る「畜犬談」、重い病の妹とその姉に起こる奇跡をミステリー風に物語る「葉桜と魔笛」、キリストへの愛ゆえの裏切りをユダが語る「駈込み訴え」のほか、「トカトントン」「桜桃」などドラマチックな物語や心にのこる名作ばかりの決定版。さし絵多数。小学上級から。
著者等紹介
太宰治[ダザイオサム]
1909年6月19日、青森県北津軽郡金木村(当時)に、大地主の六男として生まれ、母でなく乳母に育てられた。本名は津島修治(つしま・しゅうじ)。代表的長編に「人間失格」「斜陽」、などがある。若き日に芥川龍之介の小説を愛読し、彼の自殺に大きな影響を受けた。独特の文体への評価は今なお高く、最高の名文家と評する者も多い。1948年6月13日、玉川上水に愛人と身を投げて自殺した
藤田香[フジタカオリ]
関西在住のイラストレーター。児童文学、ライトノベル、ゲーム、ミステリ・文芸・時代小説など、さまざまな分野で活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
退院した雨巫女。
16
《私‐図書館》【再読】太宰作品、久しぶりですが、唸ってしまいました。さすがです。「畜犬談」が、好きでした。2011/07/11
🌙 🈷 が き れ い
7
初めての太宰治。「走れメロス」を含めた11の短編を収録。「走れメロス」をモチーフにした、横溝正史ミステリ大賞、テレビ東京賞W受賞作・「雪冤」(大門剛明著)をより深く理解するために、本書を読了。八十年以上も前の作品だが、友情の美しさを謳う「走れメロス」は、決して色褪せはしない。2021/12/21
alleine05
4
文章は古風だけど慣れればすらすら読めるテンポのいいもので良かった。しかしストーリー的には全体的に何がやりたいのかよくわからないものが多かった。そんな中、「畜犬談」が男ツンデレものとして、「駈込み訴え」が男ヤンデレものとして印象に残った。2010/06/09
mayuri(Toli)
3
初めて太宰を読みました。 個人的には「暗い」とか「難解」というイメージのあった太宰作品ですが、そのイメージを払拭してくれた短編集でした。 「畜犬談」「駆け込み訴え」「眉山」あたりがお気に入りです。2011/09/21
えぼし
2
「走れメロス」は良い友情話だと思います。相手を信じる強い意思の中で,チラリと悪い夢がよぎるのも人間らしくて,だからこそ二人の友情のゆるぎのなさが王の心を改心させたのだと思いました。2022/07/21
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