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歌集 乱反射

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  • サイズ B6判/ページ数 178p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784046217738
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

内容説明

第50回角川短歌賞受賞。

目次

目の奥の空
乱反射
深呼吸
缶詰
水菜と銀河
卒業
傘を忘れる
切手の中の砂丘
空に触れたり
海に来ている〔ほか〕

著者等紹介

小島なお[コジマナオ]
1986年東京都生まれ。93年から94年まで父親の仕事の都合でアメリカに住む。歌人である母親(小島ゆかり)の手伝いをしていて、短歌に興味を持ち、日経歌壇に投稿をはじめる。2004年、第50回角川短歌賞を受賞。現在、青山学院大学在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

livre_film2020

37
復刊で、読了。著者である小島さんの高校生から大学生までの歌が収録されている。奇を衒わない、真っ直ぐな歌に惹かれて本歌集を購入したのだが、徹頭徹尾真っ直ぐだった。私は所謂日本の「普通」の高校に通ったことがなく、高校生活の歌は「これが日本の高校生なんだろうな」と羨望の目で読んだ。たった31音でこんなに情景が広がるのか!と感動した歌がこちら:〈九階の窓からわれを見下ろして手をふる母は空に触れたり〉。小島さんの目を通して見る世界は透明で、繊細で、少し影がある。私がかつて言えずに殺した感性が蘇る感覚を味わった。2023/05/18

tom

16
気になった歌は「大学受験おえし妹ほのじろく小さくなりて卵のごとし」「しょっぱくてすこし湿って柔らかい夏の呼吸を整えてゆく」「『ノルウェイの森』読み終えていま家にいるのがわたし」など。高校生から大学初期に作った歌が集められている。初めて読んだときは、なにやらいいなと思った記憶があるのだけど、今回はそれほどの感想にはならなかった。どうしてなのかは不明。続けて「展開図 」を読み始めている。著者がどういうふうに変化しているのかに興味がある。2023/06/22

太田青磁

14
むせかえるような匂いを放ちつつだんだん小さくなった石鹸・噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし・講堂よりオルガンの音もれるとき秋はゆたかな深呼吸する・もう二度とこんなに多くのダンボールを切ることはない最後の文化祭・階段をのぼると見える地平線一つの線で分けられる青・合唱の練習のとき制服のわれはピアノにもたれていたり・もうあまり会わなくなったきみの傘も濡らしてますか今日の夕立・去年とは確かに違う夏がきて赤い浴衣で飲むジンシャーエール・すっぽりとタートルネックを着たわれはきみに気づかぬふりをしている2017/06/03

おはぎ

13
技巧に寄りすぎず、素直にすっと心に入ってくるような歌たち。自然体で読むことができた。わたしが著者の当時の年齢に近いことも影響している思う。「細長い地下道ゆけば思い出す苦くて飲めぬ粉薬のこと」「なくさないように鍵につけた鈴いつまでもいつまでも鳴りやまぬ冬」「たとえばもしそんなことばかり妄想す電車の一番うしろの車両」2022/10/25

テイネハイランド

10
先日読んだ新書「短歌部、ただいま部員募集中」で著者のことを知りこの第一歌集を図書館で借りてきました。調べてみると本書を基に映画化もされているらしく、知っている人は知っている歌集のようです。新書で引用されていた歌は「こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空」「天井に水面が映り水の夢浸透圧に冒された昼」などでしたが、奇をてらわず無理のない正統派といってもよい短歌が大半を占めていて、これは母親が有名歌人(小島ゆかり)であることからのいい意味での心の余裕から産まれてくるものではないかと思いました。2023/05/28

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