出版社内容情報
天才・乙一の出世作、文庫に登場!連続殺人犯の日記帳を拾った森野夜は、未発見の死体を見物に行こうと「僕」を誘う……人間の残酷な面を覗きたがる者〈GOTH〉を描き本格ミステリ大賞に輝いた乙一の出世作。「夜」を巡る短篇3作を収録。
乙 一[オツ イチ]
著・文・その他
帆足 英里子(ライトパブリシティ[ホアシ エリコ ライトパブリシティ]
著・文・その他
内容説明
森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。これは、最近騒がれている連続殺人犯の日記ではないのか。もしも本物だとすれば、最新の犠牲者はまだ警察に発見されぬまま、犯行現場に立ちすくんでいるはずだ。「彼女に会いにいかない?」と森野は「僕」を誘う…。人間の残酷な面を覗きたがる悪趣味な若者たち―“GOTH”を描き第三回本格ミステリ大賞に輝いた、乙一の跳躍点というべき作品。「夜」に焦点をあわせた短編三作を収録。
1 ~ 4件/全4件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
262
連作3篇集。気色の悪いけど、想定していたのでダメージは最小限。『夜の章』で確かにそうなのですが、思っていた夜とはちょっと違ったのかな。のっけからサイコキラーな話でしたけど、犯人の心理は殆ど触れられる事が無かったので、平静を保てました。ミステリーに於いて5W1Hの内、最も重視するのは? ってのに儂はWhyかな〜って思うのです。物にも依りますが。傾向として。著者さんは敢えてこれを書かない事でライトに仕上げたみたい。終章はね、昔『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』ってあったねと、思い出しましたよ。2023/03/13
mitei
248
色々な殺人事件を叙述トリックを駆使して書かれた一冊。乙一面白いなぁと思った。2010/07/04
せ~や
200
「暗黒系」はグロくて、夢見が悪くなって、「犬」はこちらがそうだろうと思ってたことがそもそも違うくて(少し無理矢理感が否めないけど… )、「記憶」はなんだか寂しい気持ち。「犬」や「記憶」の主人公は、日々をどんな想いで生きてきたんだろう?そこから見える景色や世界は、どんな景色で、どんな世界だったのだろう?誰かのために何かをとは思わないけど、見える景色や世界が少しでも見える人がいたらいいな。2017/05/12
おしゃべりメガネ
199
いやぁ、コワかったです。そして何度もモノの見事にやられました。相変わらず精神的に追い詰められてく雰囲気は全開で、乙一さんワールドをたくさん味あわせてくれます。主人公のクールさが、とても魅力的でダークな雰囲気をさらに後押ししてくれてます。そして何よりも魅力的なのが「森野夜」という女の子です。オープニングの『暗黒系』は一部描写にグロいトコはありますが、そこは乙一さんの必須?な作風なので、我慢です。ダマすことにじっくり時間をかけて、満を持して騙しにくる展開に快感すら感じます。鬼才乙一さんの世界へようこそ!2013/11/13
忠犬じろレポ
197
これが乙一の世界なんだぁ。本格ミステリー大賞受賞作品ですが、こんなミステリー初めてです。読み始めの掴みは、描写が残虐すぎると思いましたが、読み進めるに連れ、引きずり込まれました。残虐なのに、文体は読みやすい。「犬」は読んでて切ない。残虐な人の一面を表現しているのが、主人公の僕と森野夜なんでしょうね。ラノベって読んだ事ないのですが、こんな感じなんでしょうか?もう少し乙一作品読んでみます。2013/03/26