内容説明
無常観の文学として親しまれてきた『徒然草』。一方でこの書は、鎌倉末期から南北朝時代の宮廷社会や生活空間、和歌や家集のこと、東国・鎌倉の文化など、兼好が見、聞き、感じたことの記録でもある。これらの記述が史実とどう関わり表現されているか、それを叙述の視点や方法・内容、時期などについて歴史学の立場から検証。等身大の兼好の実像に迫り、時代や社会の息遣いを読み解く。最新の研究成果を反映した増補改訂版。
目次
序章 『徒然草』の記憶
第1部 時代の記憶
第2部 宮廷社会の記憶
第3部 異郷と遁世
第4部 生活の記憶
終章 『徒然草』の成立
補遺 兼好の実像をめぐって
著者等紹介
五味文彦[ゴミフミヒコ]
1946年生まれ。放送大学教授、東京大学名誉教授。東京大学文学部教授を経て現職。日本中世史専攻。2004年に『書物の中世史』で第26回角川源義賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takeapple
4
徒然草を書いた卜部兼好は、蔵人か滝口か、仕えたのは誰かなど他の史料も駆使して作者と作品の真実を探る。著者は文学者ではなく中世史家なので、そういう視点だよなと一種の安心感がある。 徒然草に出てくるエピソードが、実際にあり得るにかないのか。こんな人物本当にいるのか!?と思うが面白かった。2015/12/06
本命@ふまにたす
3
歴史学者による『徒然草』に関する一冊。主に『徒然草』の本文をもとに様々なトピックについて論じられているが、検討の方法がやはり文学者というよりは歴史学者という印象を受けた。2023/01/11
今Chan
3
徒然草を歴史的に考察するのは、僕にはあまり興味深いことではなかったです。2014/12/07
yukioninaite
0
うーん、しまった。こんな高尚な本とは知らずに手にとってしまったのが間違いでした。2015/05/30
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