内容説明
千利休の師は通説にいう武野紹鴎ではなく、辻玄哉であり、そもそも紹鴎はわび茶を行っていなかった―『山上宗二記』によって利休の事跡を丹念に探り、『南方録』起源の通説の虚構を排することで浮かび上がってきたのは、この新事実だった。利休が大成した脱俗のわび茶は、自身が若い頃から貫いてきた「運び点前」によることを初めて明らかにし、新たな利休像を提示するとともに茶の湯文化史を大きく塗り替えた衝撃の書。
目次
第1章 虚構のなかの利休(はじめに;『南方録』と『山上宗二記』)
第2章 辻玄哉の弟子だった利休(武野紹鴎と「わび」;利休の師はだれか;抹殺された辻玄哉)
第3章 誤解されていた利休の茶の湯(利休茶会の記録;運び点前の創案;利休と唐物)
第4章 茶室待庵はなぜつくられたか(利休以前の茶室;待庵と利休)
第5章 利休にとっての茶祖珠光(珠光の実像;珠光と利休)
著者等紹介
神津朝夫[コウズアサオ]
1953年生まれ。早稲田大学卒業。帝塚山大学大学院博士後期課程修了。博士(学術)。日本文化史・茶道史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。