内容説明
多様性進化の頂点を極める!さまざまな証拠からカンブリア紀に生まれたと考えられる海洋微小甲殻類カイアシ類は、現在、地球上で最もバイオマスの大きな動物のひとつである。私たちはヒトを頂点とした高度・複雑化こそが進化と思いがちであるが、生命の本質が「はびこる」ことである以上、最多にして最も多様性を獲得した生物も地球の覇者といえるのではないか。浅海の底で生を営んでいた生物が、浮遊生活に挑戦しついには究極のフロンティアである他生命体へ寄生する道を歩みはじめ、さらに爆発的な多様化・バイオマスを獲得する水平進化の道を描き出す。小さな生命の大きな戦略に迫り、進化の本質を問う野心的試み。
目次
第1章 生命四〇億年の中のカイアシ類(カイアシ類の出現前夜;多様化は一気に起こったのか? ほか)
第2章 カイアシ類の大爆発―あらゆる可能性への挑戦(カイアシ類の食事のメニューとマナー;毒をもつ植物プランクトン ほか)
第3章 新たなフロンティアへ―共生・寄生生活圏への適応(寄生に適応するための制約;海洋で二番目に多い多細胞動物 ほか)
第4章 人間に翻弄されるカイアシ類(生態系を破壊する外来種;日本からもち出されたプランクトン ほか)
著者等紹介
大塚攻[オオツカススム]
1959年、東京都生まれ。広島大学理学部卒業、京都大学大学院理学研究科博士課程後期中退、農学博士(東京大学)。広島大学大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター教授。大英自然史博物館(1992‐1993)、カリフォルニア州立大学(2001)に留学。専門は浮遊生物学、水族寄生虫学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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