内容説明
「高砂や、この浦舟に帆をあげて…」という有名な祝言のフレーズは謡曲「高砂」の一節。中世が生んだ伝統芸能、謡曲と狂言はどんな文学なのであろうか。謡曲の五番立から代表作の「高砂」「隅田川」「井筒」「敦盛」「鵺」を、狂言からは「末広かり」「千切木」「蟹山伏」を取り上げ、現代語訳で読む入門書。幽玄といわれる能と、コミカルな狂言を文学として味わい、演劇としての特徴をわかりやすく解説。
目次
謡曲(高砂―能・初番目物(脇能)
敦盛―能・二番目物(修羅物)
井筒―能・三番目物(鬘物)
隅田川―能・四番目物(雑物)
鵺―能・五番目物(切能))
狂言(末広かり;千切木;蟹山伏)
著者等紹介
網本尚子[アミモトナオコ]
1963年富山県生まれ。お茶の水女子大学大学院博士課程修了。専攻は中世文学(狂言)。現在、東京富士大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fseigojp
18
やはり入門は、これからですね2017/05/23
tyfk
6
五番立て分類:1.脇能 2. 修羅物 3. 鬘物 4. 雑物 5. 切能は神・男・女・狂・鬼とも。 「立場を自由自在に替えながら物語を進行しても観客が違和感を感じないのは、現代劇と違い、語りの形式がとられているからなのである」2023/07/17
あっきー
5
✴3 能、狂言は読んだ覚えがほとんどなく、きっと国語の教科書で読んで以来だ、この本に紹介されているものはド定番なんだろうがどれも教科書にでていたものよりも面白かったし、原文もざっと目を通せて読みやすかった、次は小謡本を探してみたい2017/10/29
さちこ
4
有名な演目を取り上げ、現代語訳で読む入門書。謡曲は、「高砂」「敦盛」「井筒」「隅田川」「鵺」、狂言は、「末広がり」「千切木」「蟹山伏」そういうことかと理解が深まった気がする。 幼い頃、母方祖母(謡曲をしていた)と一緒に能楽を見に行き、チンと座ってみていた記憶あり。内容は理解出来ずとも雰囲気は覚えている。 シテ、ワキ、ツレ、地謡・・知っていますよ。 長じては、お土産のとん蝶(餅米のおにぎりのようなもの、大豆・塩昆布・梅干しが入っいる)の思い出も。 ほかの演目にも触れたり、衣装や面なども、と興趣が尽きない。 2025/10/20
シロクマぽよんぽ
3
能は舞台で観て、雰囲気を感じとるもの。でも、謡曲を読んで理解することも、能を楽しむためには必要だと思った。この本を読んで、能の世界を現代語訳の中にうまく出すことの難しさを感じた。特に掛詞。2025/09/17




