出版社内容情報
波瀾万丈の生涯を一俳人として生きた一茶。自選句集や紀行、日記等に遺された二万余の発句から千句を厳選し配列。慈愛やユーモアの心をもち、森羅万象に呼びかける一茶の句を実作にも役立つ季語別で味わう。
内容説明
15歳で故郷柏原(長野県信濃町)を離れ、50歳で帰住するまで全国各地を行脚、65年の生涯をひとりの俳人として生きた一茶。自選句集や句文集、紀行、日記等に遺された発句は約20000句。子どもや動物、弱者や虐げられた者、また一揆や世直しといった世相を見つめ、森羅万象に呼びかける一茶の句は、慈愛やユーモア、正義感にあふれている。波乱に満ちたその生涯の発句から1000句を厳選、季語別に編集して配列。俳句実作にも役立つ。
目次
春
夏
秋
冬
雑(無季)
著者等紹介
小林一茶[コバヤシイッサ]
1763‐1827年。信州柏原(現、長野県信濃町)生まれ。松尾芭蕉、与謝蕪村とともに江戸期を代表する俳人。15歳で故郷を出て、50歳で故郷に定住するまで江戸と関東・東北、四国・九州、関西など諸国を俳諧行脚
玉城司[タマキツカサ]
長野県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程単位取得。文学修士。清泉女学院大学教授。専攻は近世俳諧史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shou
4
解説付き季語別に千首。「我と来て遊べや親のない雀」など動植物への労りの視点、「ぼた餅や地蔵のひざも春の風」などぬくもりのあるユーモアは句に親しませてくれる。一方で「衣替えて居てみてもひとりかな」「露の世ハ露の世ながらさりながら」など子供たちを幼くして失った悲しみが全編濃厚。2015/01/25
テツ
3
久々に読んだ。『我ときて遊べや親のない雀』が昔から好き。最初はのどかな光景を詠んだ歌だとしか思わなかったけれど、幼い頃に母親を失った一茶が自分の孤独を雀に重ね合わせてこれを読んだ瞬間に何を考えていたのかと想像すると悲しい。地元が長野なので今度帰省したら一茶の残した足跡を見てこよう。2014/01/08
あや
1
四季の流れに沿って1000首を掲載。句集は読み慣れておらず、小林一茶なら素人にもわかりやすいのではと思って手に取ったが、解説まで含めると読了に大変に時間がかかった。一般に、小さな生き物に寄り添ってあたたかく見つめたと評されがちの一茶だが、数多くの句を通して読むと、その裏にあるのは故郷で継母に冷遇されて育ち妻子さえ次々亡くした孤独さや、農業に就かず俳諧を売りに他人を頼った旅暮らしを続ける後ろめたさ、貧しさであるとわかる。風流を敢えて俗にとらえ、特に信濃出身のため雪に雅を見出してる場合でないという態度が面白い2020/08/10
双海(ふたみ)
1
何遍も読みたい、そんな本です。2013/08/27
くまたろ
0
大阪市立中央図書館所蔵受取館 淀川図書館2016/11/18