出版社内容情報
人類誕生の舞台であり、民族移動や王朝の盛衰を経て、他者と共存するおおらかな知恵を蓄えたアフリカ大陸。現地調査を重ねた文化人類学者が、「世界史」の枠組みをも問い直す、文明論的スケールの通史。
内容説明
人類誕生の舞台であり、民族移動や王朝の興亡を経て、他者と共存するおおらかな知恵を蓄えたアフリカ大陸。他方で、象牙海岸、黄金海岸、奴隷海岸といった地名には、西洋の欲望の爪痕が生々しく残されている。世界史のなかにその歩みをどう位置づければよいのか。そして、口頭伝承の発達した無文字社会の歴史をいかに語ることができるのか。現地調査を重ねた文化人類学者が、日本の近代化をも参照して問う、文明論的スケールの通史。
目次
序 アフリカ史の基本問題
第1章 アフリカの黎明(無文字社会のメッセージ;描かれた緑のサハラ;クシュとアクスム;アラブと結ぶ海上の道;バントゥ族の拡散;サハラ以南の農耕;仮面と守護霊;アフリカの金属加工技術;技術の進歩と停滞)
第2章 初期国家の形成(サハラを越える交易;ガーナ帝国の繁栄と滅亡;スワヒリ文化の形成;黄金の帝国マリ;西アフリカ史を育んだ川;練り土の城壁が守った手工業都市;”地域”の文化を超えるもの)
第3章 黒人帝国と植民地化(ヨーロッパ人の到来;ソンガイ帝国の崩壊とハウサ商人の活躍;東アフリカ大湖地方の王国;南アフリカへの入植;狩り出される黒い肌;マダガスカルの王国;王権を生まないイボ社会;西洋世界の衝撃がもたらしたもの)
第4章 新たなアフリカを求めて(列強の侵攻と抵抗;“ヨーロッパの大陸”へ;「黒人であること」の自覚と連帯;アフリカという地域から世界史へ)
著者等紹介
川田順造[カワダジュンゾウ]
1934年、東京・深川生まれ。東京大学教養学部卒業、パリ第5大学民族学博士。西アフリカの無文字社会を中心に調査を重ね、語りや音楽に着目する口頭伝承論を切り開く。現在、東京外国語大学名誉教授、広島市立大学名誉教授。日本・アフリカ・ヨーロッパを比較する中で西洋近代を相対化する「文化の三角測量」の提唱者としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naka
しゅん
ベローチェのひととき
belier
そんさん